「アイデアマン」はなぜ増えないのか...1940年刊の名著が予言した、AI時代に勝ち続ける「2つの公式」
つまり、アイデアの作成はフォード車の製造と同じように一定の明確な過程であること、アイデアの製造過程も一つの流れ作業であること、その作成に当って私たちの心理は、習得したり制御したりできる操作技術によってはたらくものであること、そして、なんであれ道具を効果的に使う場合と同じように、この技術を修練することがこれを有効に使いこなす秘訣である、ということである。
自分でみつけだしたこの貴重な公式をなぜ私が惜しげもなく公表するのかとおたずねになるなら、この公式について私が経験から学んだ2つのことを諸君にうち明けよう。
第一は、この公式は、説明すればごく簡単なので、これを聞いたところで実際に信用する人はまず僅かしかいないということ。
第二は、説明は簡単至極だが実際にこれを実行するとなると最も困難な種類の知能労働が必要なので、この公式を手に入れたといっても、誰もがこれを使いこなすというわけにはいかないということである。
だからこの公式は、大いに吹聴したからといって私がくらしをたてている市場にアイデアマンの供給過多が起こるというような実際上の危惧はまずない。
『アイデアのつくり方』
ジェームス W.ヤング [著]/竹内 均 [解説]/今井 茂雄 [翻訳]
CCCメディアハウス[刊]
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