最新記事
ビジネス

東京電力など大手10社が仕切る日本の電力業界、「電気代を下げてくれるのは外資」と堀江貴文

2023年8月28日(月)17時20分
堀江貴文(実業家)

さらにテスラは「Solar Roof(ソーラールーフ)」という屋根設置型の太陽光パネルも販売している。このSolar RoofとPowerwallを組み合わせることで、自家発電による蓄電が可能だ。電気代の節約もそうだが、なにより災害時の停電の備えとなる。

ただし、テスラが電力ビジネスで狙っているのはそうした機器販売の収益ではない。

各所に設置されたSolar RoofとPowerwallを一括制御し、大量の発電と送電を担う。発電所を持たずして発電所同様の役割を果たす。つまり「仮想発電所(VPP)」の大がかりな事業化がテスラの本丸なのだ。

Solar RoofもPowerwallもネットに常時接続されている。一括制御はお手の物だ。テスラはその強みをいかし、これまでになかった電力ビジネスを実現させようとしている。

すでに沖縄県宮古島ではPowerwallが普及していて、現在、その設置台数は300台を超えている(※2)。

これは家庭用蓄電池によるVPP規模としては日本最大だ。テスラのVPP事業が軌道に乗れば、日本の電気使用料金は大幅に安くなるだろう。発電所を持たないぶん、テスラのインフラコストは軽微ですむからだ。

日本の電力事業の主役はテスラ。そんな未来が訪れるかもしれない。

※1:総務省統計局「家計調査(家計収支編)」(2022年版)
※2:テスラジャパン 2022年8月26日発表

2035 10年後のニッポン ホリエモンの未来予測大全
 堀江貴文 著
 徳間書店

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシア、中距離弾でウクライナ攻撃 西側供与の長距離

ビジネス

FRBのQT継続に問題なし、準備預金残高なお「潤沢

ワールド

イスラエル首相らに逮捕状、ICC ガザで戦争犯罪容

ビジネス

貿易分断化、世界経済の生産に「相当な」損失=ECB
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中