最新記事
日本企業

ヤマハとカワイ...「日本製ピアノ」が世界の舞台で愛される理由とは?

A Musical Journey Through Time

2023年7月14日(金)14時50分
本間ひろむ(批評家)

230711p31_PRS_04.jpg

ヤマハ「CFX」新モデル NO CREDIT

こんなふうにくっきり明暗が分かれた大会を終えて、ヤマハはスタインウェイを追い抜くべくコンサートグランドピアノCFXの新モデルを市場に投入。

カワイはボストンピアノというスタインウェイのセカンドブランドのピアノをOEM生産しながら、自社の旗艦モデルShigeru Kawaiではあくまでソフトなタッチと繊細な音色を追求するスタイルを貫く。

230711p31_PRS_06.jpg

カワイ「SK-EX」 KAWAI MUSICAL INSTRUMENTS MANUFACTURING CO., LTD.

そして、コロナ禍にはヤマハもカワイも空前の売り上げ(楽器)を記録した(23年3月期決算でヤマハは約3027億円、カワイは約878億円)。

ステイホームしている世界中の家庭にピアノや電子ピアノを送り込んだのだ。今やピアノの世界シェアで売り上げ1位はヤマハなのである。

エンジニアでありながら稀代のビジネス戦略家でもあった山葉寅楠と、多彩なアイデアとひらめきを持った天才エンジニアの河合小市。

日本のピアノ創業者2人のDNAが、100年の時を超え、いま世界に向けて発露している。

(筆者の専門分野はクラシック音楽と映画批評。近著に『日本のピアニスト その軌跡と現在地』〔光文社新書〕がある)

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米債務持続性、金融安定への最大リスク インフレ懸念

ビジネス

米国株式市場=続伸、堅調な経済指標受け ギャップが

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、米景気好調で ビットコイン

ワールド

中国のハッカー、米国との衝突に備える=米サイバー当
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでいない」の証言...「不都合な真実」見てしまった軍人の運命
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 6
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 7
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 8
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 9
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 10
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 9
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 10
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中