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ヤマハとカワイ...「日本製ピアノ」が世界の舞台で愛される理由とは?

A Musical Journey Through Time

2023年7月14日(金)14時50分
本間ひろむ(批評家)

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オルガンの修理をしている際に日本でも生産できると考え、日本楽器製造株式会社(現在のヤマハ)を創業した山葉寅楠 NO CREDIT

第2次大戦でドイツが敗戦国となりベーゼンドルファーやベヒシュタインといったドイツ・オーストリアのピアノメーカーが衰退したため、現在では世界中のほとんどのコンサートホールにスタインウェイが置かれるようになった。

このスタインウェイをロールモデルに、世界に躍り出ることを夢見たのがヤマハである。

日本に鍵盤楽器が入ってきたのは戦国時代。あのフランシスコ・ザビエルがピアノの前身楽器クラヴィコードを持ち込んだ。何のために? 讃美歌を歌うためだ。

日本でピアノが生まれた日

江戸時代に入ると、長崎・出島からピアノやオルガンが入ってきた。そして明治時代になると横浜や神戸の外国人居留地でピアノの音が響いた。

だが、全国の尋常小学校ではピアノより安価なオルガンが導入されていた。何のために? 文部省唱歌を歌うためだ。

そんなある日、静岡県・浜松の尋常小学校のオルガンが故障し、たまたま浜松で医療機器などを修理していたエンジニアの山葉寅楠(とらくす)に声がかかる。

山葉はオルガンのシンプルな構造を見てこれなら日本でも生産できると踏み、楽器を作る会社を起こした。その企業こそ、日本楽器製造(現在のヤマハ)だ。

程なくして、山葉は浜松にいた天才少年をスカウトする。何でも工夫してこしらえてしまう天才エンジニア、河合小市だ。

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