「嫌われようが使命を果たす覚悟」...泉房穂・前明石市長が語った「社会の変え方」
『社会の変え方』
著者:泉房穂
出版社:ライツ社
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明石市民の「政治との距離感」が変わった
──2023年1月に明石市の出版社であるライツ社さんから、『社会の変え方』を出版されたのは、どのような想いからでしょうか。
まず2016年に、明石市にライツ社ができたときは嬉しかったですね。出版というと東京に集中しているから。そして、執筆のオファーがくるんじゃないかと予想していたら、編集の方が「日本の政治をあきらめていた人」に向けて「社会の変え方」というテーマで書いてくれないかと、声をかけてくれました。
社会を変えるというと、起業やNPO法人の立ち上げ、ボランティアといった方法を選ぶ人が多いですが、政治という手段こそ、最短で社会を変えられる力がある。そんなライツ社さんの考えに共鳴しました。そこで、政治家をめざす人たちに希望をつなげるような思いで、私の生い立ちや明石市長としてやってきたことの軌跡を一冊にまとめました。4月の統一地方選挙前に出版したのも、ちょうどよいタイミングでしたね。この本を出してから、市民の声も「なんで市長をやめるの?」から、「おつかれさま」に変わっていきました。
「明石を最も憎み、最も愛した」とか「冷たい社会への復讐」とか、こんなにストレートに書いていいのかと思ったけれど、意外と大丈夫でした。実際、12年を経て、明石市民の政治との距離感は変わった。4月の市議選の投票率が12%も上がったのがその証拠。市民も投票行動を通じて生活を変えられるというリアリティを感じたのではないか。明石はこれまで政策の面で「全国初」として注目されてきたけれど、今回の選挙のような新しい動きも全国に注目されていってほしいですね。
明石市で結果を出せた背景にある「圧倒的な先読み力」
──泉さんは明石市のお金と組織の改革をおこない、適時・適材・適所の組織を築いてきました。『社会の変え方』には泉さんのリーダーシップのあり方が詰まっているようにも思います。泉さんはどのようにリーダーシップを発揮していったのでしょうか。
これまでリーダーシップに関する本は古典含めて相当読んできたので、リーダーがどうふるまうべきかのベースはありました。実践を重ねてきて自分なりに理解したのは、求められるリーダーシップは時代と状況によって違うということ。
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