職場では「あえて負ける」──長い目で見ればプラスになる理由について
また、小さな問題にこだわりすぎると、大きな問題を見逃しがちになる。これを防ぐには、優先順位をつける基準と明確な理念を持っておくことが大切だ。
もちろん、どうしても譲れないことであれば、強く自己主張したほうがいい。そんなときのためにも、無駄なこだわりは捨てるべきだ。
「この人がここまで主張するからには、それだけの理由があるはず」という印象を植えつけておこう。
「はぁ。あの人、いつも頑固なんだよね。疲れるなぁ」相手にこんなふうに思われていると、妥協点を見つけるのが難しくなる。
敵を作らないようにしよう
意見のすり合わせをしているうちに、つい感情的になってしまうことがある。
口調がとげとげしくなったり、揚げ足を取るようなことを言ったり、しまいには問題を解決するという目的より負けたくない気持ちのほうが大きくなって、口ゲンカに発展してしまうことも珍しくない。
しかし人望と人脈は、キャリアの成功における基本中の基本だ。製品がヒットしなかったのなら次の仕事で挽回すればいいが、壊れた人間関係を修復するのはとても難しい。
今後のプロジェクトでも同じメンバーと力を合わせることになるかもしれないし、良好な関係を保っておきたい。自分1人だけでできることは限られている。
敵を作ってはいけない。みんなが願っているのはプロジェクトの成功であって、誰かと争って勝つことではない。
勝つことにこだわる人もたまにいるが、そういう人にはあえて負けて、自分の道を歩もう。長い目で見れば、そのほうが自分のキャリアにとって有益だ。
落ち込んでいるヒマはない
どんな担当者も、自分が関わっている製品、自分がデザインした機能、自分のアイデアが形になることを望んでいる。そのため、製品開発が中止になったり、デザインが見る影もないほど変更されたり、アイデアが不採用になると、ひどく落ち込んでしまうことがある。
でも、気を落とすことはない。重要なのは自分がその過程で何を学び、今後のプロジェクトにどう活かしていくかということ。
仕事がうまくいかなかったとしても、自分の成長につなげることはできる。それなら成功だ。同じプロジェクトを手がけても、成長する人と落ち込みから抜け出せなくなってしまう人がいるが、その選択は自分にかかっている。
今この瞬間も妥協と意地の間で戦っている、すべての人々の健闘を祈る。
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