1ドル140円突破で「円安ロケット」再点火か 日本株高も支え
財務省によると、海外勢の対内株式・ファンド投資は4月に4兆9760億円と、現行統計が始まった2005年以来最大を記録した。東証の週次データでは、買い越しは5月以降も続いている。
日経平均とドル/円の相関を強める可能性
一方、日銀の植田和男総裁が大規模緩和の早期修正に慎重姿勢を見せていることで、当初は新体制下で政策修正を期待する声が多かった海外勢の間でも「日銀が近く本格的に動くとの予想はほとんどなくなった」(外銀幹部)。緩和長期化が現実味を帯びた円資産へ大きく投資するには、円安による減価を防ぐ為替ヘッジ、つまりまとまった円売りが必須と考える向きが増える、というわけだ。
JPモルガン・チェース銀行市場調査本部長の佐々木融氏によると、為替リスクを排した形の日本株投資は、株高と円安の同時進行といった「日経平均とドル/円の相関を強める可能性」もあるという。
海外勢が保有する日本株が上昇すれば、手元の評価額が増えるため為替ヘッジを積み増す必要が生じ、円を売る動きが活発になりやすい。株が下落すればその反対のトレードが起きるが、海外勢の思惑通り、日本株高が今後さらに勢いづけば、結果的に円安もさらに進む公算が高まることになる。
(基太村真司、坂口茉莉子 編集:伊賀大記)