1万冊を読破した「プロ書評家」が選ぶ「推し本」ベスト5...共通項は「もっと楽に」
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<2位はビジネスパーソンたちの普遍的な悩みに効く「知の巨人」の金言集...。では1位に選ばれた「推し本」は?>
ビジネスパーソンのためのニュースメディア「ライフハッカー・ジャパン」にて、「印南敦史の毎日書評」を10年にわたり連載してきた書評家・印南敦史さん。10年間で1万冊を読破する印南さんが紹介した本は次々に話題に。ライフハッカー・ジャパンで掲載された書評の選りすぐりを105冊紹介した、新著『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』(日本実業出版社)を出版されました。
今回は新著でも紹介されていて、今年読んだ本または読み返した本のなかから「推し本ベスト5」を選んでいただきました。2位は「知の巨人」の金言集、では1位は?
※この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です。
ダントツ1位は、クリエイターの日常を描いた一冊
『天才たちの日課』
著者:メイソン・カリー
翻訳:石田文子、金原瑞人
出版社:フィルムアート社
要約を読む
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僕にとってダントツ1位の本は『天才たちの日課』です。小説家、芸術家、哲学者といった161人のクリエイターたちがいかに仕事や制作に向かっていたのか、その日常を淡々と描いた普遍的な名作です。偉大なクリエイターたちはみな自分なりの世界観をもっていて、気負ったところがない。
たとえば村上春樹さんは、長編小説を書いているときには日課を規則正しくこなしています。午前4時に起きて5、6時間仕事をし、午後はランニングや水泳へ。雑用後には読書をし、午後9時に寝る。こういった日課を毎日繰り返すって、村上さんらしいなと思いましたね。
この本を特におすすめしたいのは、「ビジネス書を読むのに疲れた人」。淡々とした書きぶりなので、読んでいてほっとするんです。それでいて、こんなライフスタイルもあるんだなと、知的好奇心をくすぐられます。僕自身、この本を読み返すたびに新しい発見を得ています。この10年間で1万冊以上の本を読んできましたが、一番好きな本だといえるかもしれませんね。