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40、50代こそリスキリングが必要...なのに「勉強すべき人ほど勉強しない」日本の会社員

2023年3月17日(金)17時50分
flier編集部

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フライヤーの大賀康史代表取締役CEO

フライヤーは「リスキリングの入り口」になる

大賀 私もまずは経営者である自分自身がAI技術などテクノロジーの最先端を知って、リスキリングを体現することが必要だと考えています。G検定を取得したのもその一環です。ディープラーニングや自然言語処理を学べば、本の要約から何がいえるかを分析したり、ユーザの方々の読書傾向をもとにしたレコメンドに活かしたりできるだろうと考えました。

後藤 社長が率先してリスキリングを体現しているって素晴らしいですね。フライヤーの事業は、リスキリングとどういった関連があると捉えていますか。

大賀 新しいテクノロジーによって要約サービスの対応範囲が変わっていくと考えています。現在は、「学びの文化を醸成する」ためにフライヤーを使ってくださる法人が増えています。経営者がすすめる本を従業員に読んでほしい、最新のビジネストレンドを学んでほしい、といったニーズが多いです。

今後は、サービスの裾野を広げ、著者や出版社、人事の方々のネットワークといった基盤をつくりながら、新たなテクノロジーを加えていくことを考えています。事業の拡張にせよ、新規事業の創出にせよ、今の技術だけでは足りないですし、ディープラーニングなどの新しい技術へのキャッチアップが欠かせません。

後藤 私は以前から「学び合いのコミュニティ」をつくりたいと考えているのですが、フライヤーの要約は勉強会の教材になりそうですね。出版社から許諾を得て要約を作成しているから、さまざまな分野で信頼のおける「リスキリングの入り口」になる。そして従業員は、要約を出発点に、より詳しく学ぶために興味のある本を買って読む。そうすれば本もさらに売れていく。そうした学びのコミュニティが全国の法人で展開されていけば、社会的意義も大きいと考えています。

私の主な情報源は本と海外のウェビナーですが、本は多様な知を学ぶうえで有用なツールだと実感しています。「同じテーマの本を10冊読めば、その道の専門家になれる」という言葉があるくらいですから。

大賀 少なくともその道の専門家と議論ができるようになりますね。専門家とコミュニケーションがとれることで、キャリアの選択肢の幅も広がります。

リスキリングの意欲がもてない理由は、圧倒的な「危機感不足」

大賀 人事・管理職から、「40代後半、50代のベテラン層にリスキリングを促してもうまく進まない」という悩みをよく聞きます。リスキリングに意欲をもてない人たちに前向きになってもらうために、人事側はどんな働きかけが必要になるでしょうか。

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