最新記事
ビジネス

成果を出す人は「誠実でいる」「機嫌よく働く」...佐久間宣行氏が語る「ずるい」仕事の流儀

2023年3月10日(金)17時03分
flier編集部

夢中で弁当を用意して、ふと気づくとロケの2時間前になっていました。弁当を持って急いで現場に行くと、驚いたことに監督が「この弁当をストーリーのメインにしたい」と言ってくれたんです。

──小道具だったはずのお弁当がストーリーのメインに! まさに雑務がチャンスに変わったんですね。

それまで、ADの仕事にモチベーションなんてありませんでした。雑務ばかりで、自分がやりたかった、クリエイティブな仕事にはつながらないと思っていましたし。

ところが、その出来事を通じて「ただの下働きなんて存在しないんだ。どんな小さな仕事も、大きな仕事につながっているんだな」と気づき、一つひとつの仕事に対する姿勢が変わっていきました。

不機嫌な人には、どう対応する?

──本書の「組織にいるうえで、不機嫌でいるメリットなど一つもない」という言葉にも共感しました。

実は僕自身、もともとそんなに怒るほうでもないんですが......仕事しているうちに気づいたんです。「どう考えても、機嫌がいいほうがトクだな」と。

楽しそうに働く姿を見せることで、新たなチャンスがめぐってくると考えています。

──その一方で、周囲を不機嫌でコントロールしようとする人も多くいますよね。

そんな人には「感情をコントロールできないと、まわりからダサいと思われる」と認識してもらうのが効果的です。

僕がよくやるのは、先手を打って相手を封じる作戦。その人に似た人をでっちあげて「実は他のプロジェクトに不機嫌な人がいて、ほんとダサかったし困ったんですよね」、「われわれのチームにはそういう人はいないですよね」と圧をかけておきます。そうすれば、誰も周囲を不機嫌で周囲をコントロールしなくなり、雰囲気のいいチームになっていくはずです。

部下・後輩の能力を引き出すシンプルな方法

──マネジメントについてもう少しお聞かせください。思うように実力を発揮できていない部下・後輩に対して、佐久間さんはどんなふうに声をかけますか。

いくつかのパターンがありますが、よくあるのは「上司から試されていると思って、委縮してしまう人」ですね。

そういう人には「もう試される時期は終わってるよ。あなたのこのスキルや経験がプロジェクトに寄与できると考えてアサインしたから、まずはそのスキルを発揮することを意識しよう」と声をかけます。

──「あなたを必要としている理由」を明確に伝えてあげるんですね。

そうですね。その人がうまくいかないのは、どの武器を評価されているのかが不明瞭だからだと思うんです。だから自信がなかったり、なんでもかんでも手を出そうとして失敗したりしてしまう。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国、日本人の短期ビザ免除を再開 林官房長官「交流

ビジネス

独GDP改定値、第3四半期は前期比+0.1% 速報

ビジネス

独総合PMI、11月は2月以来の低水準 サービスが

ビジネス

仏総合PMI、11月は44.8に低下 新規受注が大
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 5
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 6
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 7
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 8
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 9
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 10
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中