書籍の「作り手」である出版社の担当者たちが、いま読者にイチオシする本(23年2月)

2023年2月15日(水)18時40分
flier編集部

今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「意思決定」

今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「意思決定」
 著者:佐藤耕紀
 出版社:同文舘出版
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

ビジネスの現場でよく耳にする「意思決定」というキーワード。

「組織」や「戦略」に匹敵する経営用語ですが、なかなか意味をつかみにくい言葉でもあります。

本書では、自衛隊のリーダーたちを育てる防衛大学校で20年以上教えてきた著者が、「意思決定」のコンセプトやセオリーをわかりやすく解説。知覚のしくみから、行動経済学や進化心理学、記憶や確率・統計の錯覚、正しい選択をするための考え方まで、Q&Aで楽しく学べる1冊をめざしました。

自衛隊は、ときには過酷な状況で、難しい決断を迫られます。

救助の現場で被災者が見えたら、救いたいと思うのは当然です。しかし、悪条件のなかで無理をすれば、二次災害をまねくかもしれません。場合によっては、活動を休止する勇気も必要でしょう。刻々と変わる状況のなかで、プレッシャーに耐え、時機を逃さず、的確な決定を重ねなければなりません。

そんなかれらも学んだ「意思決定」の基礎知識は、日々さまざまな選択をしているビジネスパーソンにとっても、大きなヒントとなるはずです。

著者いわく、「仕事も人生も、決断の連続」。

思考や判断のセンスを磨き、賢い選択を重ねるための「意思決定」入門です。
(同文舘出版 戸井田)

難しくない物理学

難しくない物理学
 著者:野本麻紀
 出版社:クロスメディア・パブリッシング
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

物理学を「わかりやすく」というと嘘になる。

だから、本書は「難しくない」というコンセプトで、なかなか言葉だけで伝えるのは「難しい」内容を、できるだけ「やさしく」しました。

本書の肝は第4章「ミクロの神秘、量子力学の世界」です。「量子力学」は近未来の世界にとって、新常識といえる領域です。ですが、その理論は難解で、きちんと理解している人は少ないと思います。

「粒子か波か」「不確定性原理」「シュレディンガーの猫」「重ね合わせ」「トンネル効果」など、どこかで聞いたり、見たりしたことがあるような言葉が並びます。非常に重要なキーワードをもとに1項目あたり1ページの図でビジュアル理解できるように構成しています。

量子力学は、とても不思議な世界ですが、科学理論としてベーシックな考え方です。このことが理解できると、最新のテクノロジーに対する造詣も深まります。

「やさしくない」けど、「難しくない」物理学を、ぜひ一読ください。
(クロスメディア・パブリッシング 編集部 川辺秀美)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

スペインに緊急事態宣言、大規模停電で 原因特定でき

ワールド

ロシア、5月8から3日間の停戦を宣言 ウクライナ懐

ワールド

パキスタン国防相「インドによる侵攻差し迫る」、 カ

ワールド

BRICS外相会合、トランプ関税の対応協議 共同声
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 3
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 4
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 7
    体を治癒させる「カーニボア(肉食)ダイエット」と…
  • 8
    トランプの中国叩きは必ず行き詰まる...中国が握る半…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    【クイズ】米俳優が激白した、バットマンを演じる上…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 6
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 7
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 8
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 9
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中