「無意識的な偏見」が、社会の活力と成長を阻害する...企業が多様性を推進する理由
本来なら廃棄される食材を活用する企業配達弁当店や、東京の下町で営まれる歴史ある文具店、天然酵母ピザと自家製タルトの専門店や、祖父から継いだ田畑で栽培した米や野菜を販売するWebショップまで、受賞者たちのビジネスの内容は実にバラエティ豊か。活動する地域や年齢はもちろん、バックグラウンドも様々な受賞者たちからは、「メンターの方に色々な悩みを相談することでやるべきことが明確になった」「新しいビジネスに挑戦する勇気をもらった」といった声も聞かれた。
誰もが課題を感じず挑戦できる環境を
「受賞者の皆さんにお会いして、スモールビジネスには地域コミュニティの中心的な役割を担う力があると確信しました。まだまだ少ない女性起業家をはじめ、多様なバックグランドを持つショップオーナーを支援することで、誰もが挑戦できる環境をつくるのが私たちの役割。アメックスでは今後もこうした活動を通じて、日本の街の活性化に貢献していきたいと考えています」(津釜氏)
さらに同社では、多様な特性を受け入れる姿勢を示す、DE&IをテーマにしたオリジナルステッカーやPOPの加盟店への配布も計画している。
ビジネス本来の魅力や潜在力、または働く人の力量ではなく、その人の人種や性別といった「属性」で成功が阻害されることがあっては、社会も本来享受できるはずの豊かさを逸することになる。不平等を解消し、あらゆる人が本来の力を十分に発揮できる社会こそ、アメックスが掲げるDE&Iの先にある未来像と言えるだろう。
それは、働きやすさや人権の尊重といった社会的な理想の実現であるだけでなく、日本経済に活力を与えて閉塞感を打破する1つの処方箋にもなるはずだ。