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時間管理術

「今日やること」リストに「明日やるべきこと」を1つ加えるだけで、生活は激変する

2022年12月22日(木)08時05分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

面倒くさくてたまらない「先送り」を制していく

私は前倒す人であり、先送る人だ。前倒しして作業をするのがとても得意なのに、どうしても先送りせずにはいられない作業もある。確定申告がそうだし、紙の資料をまとめて提出なんて作業も極端に苦手だ。

小学生の頃から提出物を期限内に出すのが苦手で、宿題を終わらせることができない子だったが、そのできない子がそのまま大きくなり、年を取って私になって、そしていまだにできないのだから、できないことは一生できないのかもしれない。そろそろあきらめたい。

しかし、大人になると、どうしたって自分がやらなければならないときがやってくる。自分以外にできる人がいないというケースだ。

葬式がそうだし、確定申告がそうだし、相続手続きなどもそう。誰かが亡くなれば、亡くなった人の人生をきちしまんと終うことが生き残った者の使命であるし、その使命には数十枚の紙をあちらこちらに送る作業などが含まれる。

そしてこの作業はとんでもなく面倒くさいし、意味がわからないし、やりかたの説明が書かれた紙をどれだけ読んでも、一切理解できない。これだけ本を読んでいる私でも、まったく理解できない。それでも、やらねばならないし、私はいままでどうにかしてやってきた。それではどうやって?

まずは当然、インターネットを駆使して情報を集める。だいたいこの時点で、やることをぼんやりとは理解できるのだが、それでもわからないときは関係各所に問い合わせ、作業内容を素直に教えていただく。

ほとんどの場合、とても優しく教えてくれる。そんな優しさに触れていると、徐々にやる気が出てきて、作業を終えることができる......というのがいままでのパターンだ。

そして大事なのはこの先である。作業を終えることができた達成感を記憶しておくことだ。あの喜びはなかなかすごいものがある

50年以上も生きてきて、まだこのレベルの話なのだ。苦手って、やはり一生克服できないものなのかもしれないと思いつつも、それでもチャレンジだと自分に言い聞かせる。

いま現在も保留している作業がある。またもや相続関係のものだ。今度は祖母の持ち家をどうにかするという話である。いつまでこんなことが続くのかと、面倒くさいことこのうえない。必要な紙がある場所はわかっている。だから、この文章を書き終えたら、コピーしてまとめて司法書士さんに送付しようと心に決めた。しかしまずはコーヒーだ。

報告。無事やり遂げた。大切なのはきっかけだね。



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