最新記事

テクノロジー

DAOは「スマホ登場」以上のパラダイムシフト...ここまで騒がれるのには理由がある

2022年11月15日(火)17時10分
flier編集部

『攻殻機動隊』はDAOの未来を予言していた?

── これまで読まれた本のなかで、未来を見通すうえで参考になった本や、価値観に大きな影響を与えた本はありますか。

鈴木 士郎正宗さんのマンガが原作になっているSF小説版『攻殻機動隊』です。90年代初期に生まれたSFって、巨大な統治者が現れたり、アイデンティティは身体それとも電脳に宿るのかと問いかけたり、現在議論されている課題を描いていることが多い。『攻殻機動隊』では未来の予言書的な世界観が広がっていて、読み直すたびに新たな発見があります。DAOの概念がなかった時代に、DAOが広がった社会で起きうる問題を描いていて、どうやってそんな着想ができたのだろうと思わずにいられません。

亀井 価値観に影響を及ぼした本といえば、大前研一さんと柳井正さんの共著『この国を出よ』です。大学4年生のときにこの本を読んで、海外に出て挑戦をしようと背中を押されました。その後2011年にサンフランシスコへ行き、スタートアップコミュニティに出合ったので、人生を変えた本といえるかもしれません。著者おふたりは、海外で学んだあと、日本に戻って還元することの大切さも説いています。その考えに私も影響を受けました。今後は世界中のメンバーが参加するDAOに参加することも、「この国を出る」ための1つの選択肢だと伝えたいですね。

赤澤 価値観に影響を与えたのは、『置かれた場所で咲きなさい』です。ノートルダム清心女子大学の学長も務めた渡辺和子さんが書いたミリオンセラーです。Web3やDAOなど色々なトレンドが生まれてくるなかで、自分はどう生きたいのかと振り返るきっかけをくれました。自分にないものばかり追っても、人と比べてもしょうがない。いま置かれた場所でどう自分の花を咲かせるか。根っこにある自分の軸と向き合うように促してくれた大事な一冊です。

── 素敵な本の紹介をありがとうございます。最後にFracton Venturesのビジョンを教えてください。

鈴木 Web3やDAOは私たちの価値観や社会のあり方を本質的に変えていく潮流です。Fracton Venturesは投資組織ではなくインキュベーターとして、こうした潮流をベースにしたスタートアップやプロジェクトを育てていくことに貢献していきたいと考えています。色々なチャレンジを考えているDAOに対し、多様な専門家のアイディアを持ち込んでいきたいですね。世界的にもレアなチャレンジですが、一緒に挑戦していきたいという仲間を増やしていけたらと願っています。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルがガザ空爆、48時間で120人殺害 パレ

ワールド

大統領への「殺し屋雇った」、フィリピン副大統領発言

ワールド

米農務長官にロリンズ氏、保守系シンクタンク所長

ワールド

COP29、年3000億ドルの途上国支援で合意 不
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 8
    「何も見えない」...大雨の日に飛行機を着陸させる「…
  • 9
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 10
    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 7
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中