ビジネス人生はRPG どんなに経済が不安定でも生き残れる最強の職種とは?
成長を続けるビジネスパースンは、世の中の変化にアンテナを張り、自分の行動を少しずつ変えていく…… YinYang - iStockphoto
これから社会に出る人はどのようにキャリアを築いていけばいいのか。800社超、17万人のビジネスパーソンの働き方改革支援をしてきたクロスリバー代表の越川慎司さんは「今後のビジネスシーンはオープンワールドRPG化します。国境や言語の壁がなくなり、どこにでも行ける広大なフィールドで、自ら探索し、自ら課題を設定しながら、目指すキャリアゴールに向けて自律的に学習していく世界になるのです」という──。
大企業が大企業のまま成長するのは不可能
「大企業に入れば、倒産することはない」
「我慢して働いていれば、給料は着実に上がる」
20年前は、私自身そう思っていました。大学を卒業した私は、新卒で日本の情報・通信分野の巨大企業に入社しました。
自分が望めば、そのまま定年まで居続けることもできたでしょう。しかし、大学を卒業するときには想像もしませんでしたが、転職や起業を経験し、マイクロソフトでは「働き方」がそれ以前のモデルとはまったく違ったものになっていく様子を肌身に感じる体験をしました。
そして2022年の現在、独立し、800社を超えるコンサルティングを通じて、「大企業が大企業のまま成長し続けることはもはや難しい」と確信するに至りました。
新卒の3分の1が辞める現実...
いまだに大企業に有利な点があるとすれば、それは、「学歴の高い従順な学生を採用しやすい」ということぐらいではないでしょうか。にもかかわらず、「いい大学」「いい会社」を目指す学生が後を絶ちません。
これは、就職活動に明け暮れる学生が悪いのではなくて、登り切った階段の先で「あがり」を迎えた親世代の固定観念の影響にほかなりません。
「いい大学、いい会社に入れば、安定・安心を手にして、"いい人生"を送ることができる」という画一的な価値観を刷り込まれてきた結果です。
一方で大企業の側は、その規模を維持・拡大していくために、俗に「3分の1が辞めてしまう」といわれる状態であるにもかかわらず、大卒新入社員を大量に採用し、過去の栄光にしがみつく年配社員に高額な給料を払い続けています。
これが果たして「安定した企業」といえるのでしょうか。残念ながら、これが現実なのです。
会社に一生涯の保証を求めるのは限界
事実、私が新卒入社した1996年の株式時価総額ランキングトップ10のうち、現在でも変わらず残っているのは何社かわかりますか。答えは「たった4社」。
日本の株式時価総額の上位であるトヨタ自動車の豊田章男社長が、2019年5月に「なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と発言し、大きな話題になりました。大企業に入ったら退職するまで安定していて、給料が着実に増えていくというモデルは、もはや現実的なものではなくなっているのです。
だからといって、「ベンチャー企業に入れ!」「自分で起業しろ!」と言いたいのではありません。
これからの時代を生きる学生、20代、30代は、自分のいるフィールドにおいて、正しいスキルアップの方法を身につけること、しかも、その努力を絶え間なく継続することが必要不可欠だ、と言いたいのです。