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エネルギーロシア産ガスの欧州向け輸送、ウクライナが一部停止へ
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ウクライナのガス輸送システム運営会社、GTSOUは同国の主要中継地点を経由するロシア産ガスの欧州向け輸送を停止すると発表した。露スボードヌィのガスパイプライン施設で2019年11月撮影(2022年 ロイター/Maxim Shemetov)
ウクライナのガス輸送システム運営会社、GTSOUは10日、同国の主要中継地点を経由するロシア産ガスの欧州向け輸送を停止すると発表した。ロシア軍による妨害が理由とし、影響を受けるガスは別のルートに回すとしている。
停止されるのは、ウクライナ経由で欧州に向かうロシア産ガスの約3分の1に当たるという。
GTSOUは、ソフラニフカ経路でのガス輸送について「フォースマジュール(不可抗力)」条項を宣言し、11日から停止すると発表。
東部ルガンスク地方ノボプスコフのガス圧縮施設で「占領部隊による技術的プロセスの妨害」のため操業ができないとし、影響を受けるガスをウクライナ支配地域のスジャにある接続地点に一時的に回すことが可能と述べた。
ノボプスコフの圧縮施設は、2月の軍事侵攻開始後の早い時期からロシア軍と親ロ派武装勢力に占領されている。
GTSOUのセルギー・マコゴン最高経営責任者(CEO)はロイターに対し、ロシアの占領部隊がウクライナを経由するガスを東部の親ロ派2地域に送り始めたと述べた。証拠は示していない。
パイプライン経由でのロシア産ガス輸出を独占するガスプロムは、ソフラニフカ経路での欧州向けガス輸送を現地時間11日午前7時から停止するという通知をウクライナ側から受け取ったと明らかにした。
また、スジャにガスを回すというGTSOUの案について、全量を転送するのは「技術的に不可能」と主張した。
さらに、フォースマジュールの証拠や従来通りの操業継続を妨げる状況は見られないとしたほか、ガスプロムは欧州の買い手に対する義務を全て履行していると強調した。
モルドバの国営ガス会社は、GTSOUやガスプロムから供給障害の通知は受けていないと述べた。
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