「社員が辞める前の兆候」を心理カウンセラーが解説、離職は見抜けるか?
■2:将来の話を周りにしなくなった
普段から将来の話をしていた人がしなくなった場合、会社に対して絶望しているサインです。「この会社にいても自分の未来が見えない」と思っている可能性があります。
例えば、新入社員として入社して「絶対1番早く昇進します」「〇年後までにはこの部署に行きたいんです」と明確に言っていた人がそういうことを口にしなくなった場合などです。
この場合、会社側からすると「現在の業務や部署に納得して取り組んでくれたのかな」という捉え方もできるでしょう。
ですが、もしかしたらモヤモヤして本人の中で諦めている可能性もあるので注意が必要です。
■3:会社愛が強い社員の態度が変わった
会社のことが好きなのは良いことです。しかし、過度なロイヤリティを会社に示す人はいきなり会社を辞めることも多いです。
感情が高まって「この会社は本当に最高です」「社長はあこがれです」「今配属されているこのチームが大好きなんです」と頻繁に口にしたり、態度に示したりしている場合は、会社やチームに高い理想を抱いている可能性があります。
これは外部の環境や人間に依存しすぎているサインです。会社の方針が変わったり人事異動があると心が折れてしまう可能性が高いです。理想的な環境だから働くということは、理想的な環境でなくなれば辞めるということにつながるためです。
特に注意したいのが、まだ入社して日が浅いのに、会社やチームが好きなことをあからさまに態度で示す社員です。また、会社愛が強く、社長のことも慕っていた中堅社員が、唐突に退職するケースも耳にします。
離職前の兆候として、情熱のあった言動が落ち着いたり、「あの時は良かった」などと過去や他社のことを引き合いに出す場合も注意したほうがよいでしょう。
離職する兆候がない人は、軽はずみに「この会社が最高だ」とは言いません。その代わり、どんな状況であっても「自分が最高の職場にしていくんだ」「自分の力でこの会社を良くしていくんだ」と考えています。
■4:成長意欲が強くなりすぎている
そして、4つ目の兆候が、成長意欲が強くなりすぎている時です。これは自分が成長することしか考えていないという意味です。成長意欲があることは素晴らしいことですが、成長そのものが働く全てのモチベーションになっている場合は、辞める兆候と捉えて良いでしょう。
なぜなら、会社を自分のスキルアップやキャリアアップのための踏み台としか思っていない可能性があるからです。これは、裏返せば「自分の成長につながらない」と判断したら、途端に離職に傾いていく可能性があることを示しています。少しでも自分がやりたくない仕事を任せられると、面談時に「これは自分が本当にやりたい仕事とは違います」と言い出す可能性があります。