米「最も愛されている職場」トップ5──企業ランキング50社より
GOOD PLACES TO WORK
REUTERS/Dado Ruvic/Ilustration
<会社を愛している人は、平均以上の生産性を発揮する確率が4倍以上高い――コロナ禍の「大退職時代」にふさわしい米企業ランキングを作成した>
新型コロナのパンデミックにより、仕事の世界に大激変が起き、働き手と会社の関係は多くの困難をはらんでいる。
米労働省によれば、2021年に職を辞めた人は4700万人に上るという。2022年4月19日号(4月12日発売)「愛される100社」特集で、本誌初の「最も愛されている職場」ランキングをお届けするのに、今ほど最適なタイミングはないかもしれない。
「よい会社ランキング」のたぐいは既にたくさんある。しかし、私たちが米コンサル企業のベストプラクティス・インスティテュート(BPI)と共に作成したランキングは一味違う。
企業年金や医療保険、有給休暇などの充実度も確かに重要だが、私たちは働き手が会社にどのような感情を抱いているかに注目した。
「このランキングでは、人々が勤務先の会社にどのくらい好ましい感情を持っているかに焦点を当てた」と、BPIのルイス・カーターCEOは説明する(BPIはピッツバーグ大学と協働してランキングの土台を成す分析手法を作成した)。
なぜ、こうした感情面の要素を重視するのか。働き手の会社に対する愛は会社の成功に直結するからだ。
BPIは長年にわたり、さまざまな業種のさまざまな規模の会社で働く3500人以上の人たちについて調べてきた。それによると、会社を愛している人は、そうでない人に比べて、平均以上の生産性を発揮する確率が4倍以上高く、離職率も低い。
このランキングに入るためには、企業はいくつかの基準を満たさなくてはならない。コラボレーションとチームワークが重んじられているか、昇進の機会があるか、よき社会の一員であるかといったことだ。
例えば、20位のフットウエアメーカー、クロックスは、2020年3月にコロナ禍が始まった直後、医療従事者に4000万ドル相当の自社製品を寄贈した。
30位のアウトドアブランド、パタゴニアは2021 年、大口顧客である高級スキーリゾートから商品を引き揚げた。このリゾートのオーナーの1人が過激な右翼系イベントを主催したことに抗議するためだった。
6位のアパレルメーカー、デッカーズは絶えず社員にアイデアを募り、時にそのアイデアに投資している。
46位のソフトウエア企業ライブパーソンは、キャリアの行き詰まりを感じた社員に部署の異動を認めている。
そして1位の音楽配信大手スポティファイには、全ての従業員からのメールに経営陣が答える文化がある。
この50社ランキングは求職者から従業員、経営者まで、全ての読者に有益なものになるはずだ。