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ウクライナ情勢

iPhoneからジェット機まで ウクライナ侵攻めぐる各国企業による対ロシア制裁まとめ

2022年3月2日(水)12時39分
ニューヨークのアップルストア

リスク回避でのロシアでのビジネス見合わせや人道支援的な対ロシア制裁へ参加する企業が増えている。写真はニューヨークのアップルストア(2022年 ロイター/Mike Segar)

ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、各国の企業がリスク回避でのロシアでのビジネス見合わせや人道支援的な制裁への参加を発表している。

アップル

米アップルは1日、ロシアでアップル全商品の販売を一時停止すると発表した。ロシアのウクライナ侵攻を受けた措置。

さらに、ロシアへの製品輸出を全てストップするほか、モバイル決済サービス「アップルペイ」などのサービスの利用も制限する。また、ロシア国外の「アップストア」からロシア国営メディアのRTとスプートニクのアプリのダウンロードはできなくなる。

アップルは声明で「ロシアのウクライナ侵攻を深く懸念している」とし、「われわれは人道的努力を支持し、広がっている難民危機に支援を提供し、同地域のアップルのチームの支援に向けてできる限りのことを行う」と表明した。

オートバイ・自動車

ロシアのウクライナ侵攻を受け、米ゼネラル・モーターズ(GM)をはじめとする世界的な自動車メーカーの間で、ロシアでの事業を中止する動きが広がっている。

GMは28日、ロシア向けの全自動車輸出を当面停止すると発表した。同社はロシア国内に工場を持っておらず、ロシアにおける年間販売台数は約3000台程度。サプライチェーン(供給網)の展開も限定的だ。声明で「われわれの思いはウクライナとともにある。人命の喪失は悲劇であり、われわれが最も懸念しているのはウクライナ国民の安全だ」と強調した。

スウェーデンのボルボも当面、ロシアへの自動車輸出を取りやめると表明。欧州連合(EU)と米国が発動した制裁などにより、ロシアとの取引がもたらす潜在的リスクを理由にこうした決定を下したと述べた。

ボルボの広報担当者の話では、ロシア向け輸出車はスウェーデンと中国、米国の工場で生産している。業界データによると、ボルボは昨年、ロシアで9000台前後を販売した。

ダイムラー・トラックは、ロシアでの事業活動を即時凍結すると発表。凍結対象には、ロシアのトラック大手カマズとの協業も含まれている。カマズの筆頭株主は、47%を保有するロシア国営企業のロステックだ。

独経済紙ハンデルスブラットは、メルセデス・ベンツ・グループが保有するカマズの15%株式をできるだけ早期に手放すための法的な手段を検討していると報じた。

英国の自動車大手ジャガー・ランドローバー(JLR)とアストン・マーティンも同日、対ロシア制裁を受け、ロシアへの輸出を停止したと表明。

ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は、ロシアの侵攻でウクライナの部品メーカーの納品が難しくなっているため、一部の工場で減産を実施するとの見通しを示した。

ドイツのウォルフスブルク工場では、3月14日の週に生産ができなくなる可能性が高いという。同工場では3月6日の週から減産する見通し。

ドイツのツウィッカウ工場とドレスデン工場では今週、「VW」ブランドの電気自動車(EV)の生産を一時停止しており、今後さらに生産を調整する可能性も否定できないとしている。

米二輪車大手ハーレー・ダビッドソンは1日、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、ロシア事業とロシアへの輸出を停止したと発表した。

航空機

米航空機大手ボーイングは1日、ロシアの航空会社への部品・メンテナンス・技術サポートを停止したと発表した。ウクライナ侵攻を受けた措置。

同社の広報担当者は「紛争が続く中、当該地域の同僚の安全確保に注力している」と述べた。

ボーイングは前日、モスクワの訓練施設の営業停止やキエフオフィスの一時閉鎖を発表していた。

航空機リース会社は、ウクライナ侵攻を巡る西側諸国の制裁措置を受け、ロシア航空会社との数百機に上るリース契約を解除する見通しだ。

世界最大の航空機リース会社であるアイルランドのエアキャップは、ロシアの航空会社との間でリース活動を停止すると発表した。米市場に上場する同社株は13%超値下がりした。

航空調査会社シリウムによると、ロシアの航空会社は980機の旅客機を運航しており、777機がリースされている。

このうちの3分の2に当たる515機(推定市場価値100億ドル)が、外国企業からのリース機という。

エアキャップは、12月31日時点でのロシア向けリース機は正味簿価で全体の5%相当だとしている。

欧州連合(EU)は27日、航空機リース会社に対し、3月28日までにロシアでの現行契約を終了するよう求めた。

石油

米石油大手エクソンモービルは1日、極東ロシアの石油・天然ガス開発事業「サハリン1」から撤退するため、操業停止に向けた作業を開始したと発表した。ロシアで新たな開発事業に投資しないと表明した。

サハリン1は、日本の官民で作るサハリン石油ガス開発が3割の権益を保有。同社には経産相が50%、伊藤忠商事が約18%、石油資源開発が約14%、丸紅が約12%、INPEXが約6%出資している。ロシア石油大手のロスネフチ、インド石油天然ガス公社も同事業に参画している。

サハリン石油ガス開発の広報担当者は2日、エクソンの発表について、事実関係を確認中とした上で、状況を注視して今後の対応を検討するとコメントした。

石油資源開発の広報担当者も、事実関係を確認中とした。

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