iPhoneからジェット機まで ウクライナ侵攻めぐる各国企業による対ロシア制裁まとめ
スポーツ
米スポーツ用品大手・ナイキが、オンラインストアやアプリを通じたロシアからの受注を停止した。ロシアの顧客への商品配送を保証することができないためとしている。
物流
欧米各国がウクライナに侵攻したロシアに対して経済制裁を打ち出したことを受けて、コンテナ船事業各社が、ロシアと結ぶ輸送を停止する措置を相次いで打ち出している。
日本郵船、川崎汽船、商船三井の海運大手3社が共同出資するコンテナ船事業会社、オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)は28日、顧客に対して、「ロシアのサンクトペテルブルク発着の船積み予約を、追って通知があるまで即時停止し、事業運営の実行可能性を検証する」と通告した。ロシアの港であるノボローシスク、オデッサにあるウクライナのコンテナ港の予約も停止する。
ドイツのハパック・ロイドは24日、ロシア向けの予約を一時停止し、ウクライナ向けの出港を停止したと発表した。広報担当者は28日、「先週の事態を受け、導入された制裁措置を確実に順守するため」と理由を説明した。
コンテナ輸送能力が世界最大のMSCは1日、ロシア発着のコンテナ輸送の予約を停止した。食料や医療機器などの輸送は引き受けを続けるという。
マースクも1日、ロシアとのコンテナ輸送を一時停止すると発表した。
金融
JPモルガン・アセットマネジメントは2月28日付で投資信託エマージング・ヨーロッパ・エクイティ・ファンドを停止した。関係筋が明らかにした。
デンマークのダンスケ・インベストはロシア株へのエクスポージャーが大きい複数の株式ファンドの取引を停止したと発表した。これらの措置はブルームバーグが先に報じていた。
ダンスケ・インベストは声明で「ウクライナでの戦争と、ロシア中央銀行による国内株式市場閉鎖の決定により、ポートフォリオ上でロシア株のウエートが大きい株式ファンドの取引を停止せざるを得なくなった」と説明。停止期間はロシアの株式市場の動向次第とした。
クレジットカード
カード大手のマスターカードは28日遅く、複数の金融機関を同社の決済網から排除したと発表した。対ロシア制裁を受けた措置。
今後も規制当局と協力して法令順守の義務を完全に履行するとしている。また、人道支援に200万ドル拠出すると表明した。
これとは別に、同業ビザも文書で、制裁を順守するための措置を講じており、いかなる追加制裁にも対応すると表明した。
映画
ソニーグループ傘下のソニー・ピクチャーズエンタテインメントの広報担当者は、ロシアで「モービウス」などの新作映画公開を一時停止すると明らかにした。ウクライナ侵攻を受け、米ウォルト・ディズニーなどもロシアでの公開中止を発表している。
ディズニーは、ピクサー・アニメーション・スタジオの「私ときどきレッサーパンダ」から公開を停止するとしている。ワーナーメディアも、ロシアで今週予定されていた「ザ・バットマン」の公開を停止すると明らかにした。
ディズニーは、今後については「状況をみて決める」としつつ、難民危機の大きさに鑑み、人道支援を行うためパートナーNGOと協力していると明らかにした。
ロシアはハリウッドにとって重要な市場で、デジタル市場分析会社のコムスコアによると、2021年のロシアの興行収入は6億0100万ドルで、世界全体(214億ドル)の約2.8%を占めている。
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