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経済制裁バイデン、ロシア産天然ガス輸送のノルドストリーム2事業会社に制裁「追加措置辞さない」
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バイデン米大統領は23日、ロシア産の天然ガスをドイツに運ぶパイプライン「ノルドストリーム2」の事業会社ノルドストリーム2AGとその幹部に対し制裁を科すよう政権に指示したと表明した。2020年2月撮影(2022年 ロイター/Maxim Shemetov)
米政府は23日、ロシア産の天然ガスをドイツに運ぶパイプライン「ノルドストリーム2」の事業会社ノルドストリーム2AGと同社のマティアス・ワーニヒ最高経営責任者(CEO)に対し制裁を発動した。ウクライナ東部の親ロシア地域の独立を承認し軍派遣を命じたロシアへの対抗措置を強化した。
バイデン大統領は声明で、米政権はノルドストリーム2への対応を巡りドイツと緊密に連携していると述べた。
「これらの措置はウクライナにおけるロシアの行動に対抗する制裁措置第1弾の一環」とし、ロシアが攻撃的な姿勢をさらに強めれば、「追加措置も辞さない」という考えを改めて示した。
ノルドストリーム2AGはロシアの国営天然ガス会社ガスプロムの子会社で、スイスに本拠を置く。パイプラインはまだ稼働しておらず、ドイツと欧州連合(EU)の承認待ちとなっていた。
ドイツのショルツ首相は22日、ノルドストリーム2の承認停止を発表。米政府は対ロシア制裁の第1弾として、主要2銀行や特権階級層などに対する制裁措置を発表した。
米財務省は、ノルドストリーム2AGとの取引を3月2日までに解消することを可能にする手続きを取った。
ホワイトハウスによると、ノルドストリームの運営会社で株主委員会会長を務めるシュレーダー元独首相は制裁の対象に含まれない。
ノルドストリーム2はガスプロムが完全所有しているが、費用は半額だけ出し、残りはシェル、オーストリアのOMV、仏エンジー、独ウニパー、ウィンターシャルが負担した。
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