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値下がりでもビットコイン保有者は「ガチホ」へ、一方でイーサリアムは「黄信号」

2022年2月28日(月)18時35分
千野剛司(クラーケン・ジャパン代表)

2022年1月はほとんどの期間でネットポジションがプラスに変化する傾向がありましたが、2月にトレンドが変わりました。とりわけ、過去30日間でみると7億5800万ドル相当のビットコインが取引所から流出しました。ビットコイン価格は昨年11月につけた6万9000ドルから42%下がっていますが、長期保有のスタンスを取り続ける投資家が増えているようです。

ただ、2021年の大半の時期で見られたような流出額と比較すると、2月のそれは小規模に止まっています。

イーサリアムは取引所に流入

対照的にイーサリアムは、取引所に流入するトレンドが継続しています。

2022年のほとんどの期間で取引所のネットポジションはプラスであり、今月はプラス幅がさらに増加しました。プラスのトレンドは昨年11月から続いており、ビットコインとは対照的に、イーサリアムの強気派が立ち直れていないことを示唆しています。

220222krk_ocf03.png

(出典:Kraken Intelligence, Glassnode「イーサリアム価格(紫の折れ線グラフ)、イーサリアムの取引所へのネットポジションの変化がプラス(緑)、イーサリアムの取引所からのネットポジションの変化がマイナス(赤)」)

イーサリアムの取引所へのネットポジションの変化は、過去30日間でプラス8億3200万ドルでした。ビットコインとは逆に、ハードウェアウォレットから取引所にイーサリアムを移す投資家が増えているかもしれません。

上記のようにオンチェーン分析は、マクロ経済的に不透明な状況が続きマーケットの解釈が難しい状況において、「ノイズ」と「シグナル」を分ける効果が見込めます。

FRBの利上げやウクライナをめぐる欧米とロシアの対立などがビットコインに与える影響を予測するのは困難です。そのような時、オンチェーン分析によって冷静さを取り戻すことができるかもしれません。

今回、オンチェーン分析的には2月にビットコインには青信号、イーサリアムには黄信号が灯っていることが分かりました。

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