値下がりでもビットコイン保有者は「ガチホ」へ、一方でイーサリアムは「黄信号」
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<ブロックチェーン上の傾向から読み解く直近の「オンチェーン分析」で見えたのは、ビットコイン派とイーサリアム派の相反する動きだった>
最近のビットコインは、不規則な動きを見せつつもどんどんと狭いレンジでの値動きになっています。こうした相場は「chopsolidating(不規則な保ち合い相場)」と呼ばれますが、背景にあるのは不透明なマクロ経済要因でしょう。
ウクライナ情勢をめぐり地政学リスクが高まる中、仮想通貨市場参加者もどのように行動すれば良いのか迷っているのかもしれません。3月に見込まれている米連邦準備理事会(FRB)の利上げを気にする投資家も多いでしょう。
クラーケン・インテリジェンスのオンチェーン分析によりますと、ビットコインが強気なシグナルを維持する中、イーサリアムの雲行きが怪しくなり始めました。
オンチェーン分析は、仮想通貨の取引量やアドレス数などブロックチェーン上で確認できる取引記録の傾向を分析して現在の相場動向を読み解く手法です。今回は、取引所へのビットコインとイーサリアムの流入数の増減に注目します。
取引所から流出するビットコイン
一般的に仮想通貨を保管する場所には、取引所とウォレットの2つがあります。クラーケンなど取引所は、法定通貨と仮想通貨を交換する場所であり、ウォレット、とりわけハードウェアウォレットは、法定通貨への交換はできませんがインターネットに接続せずに仮想通貨を保管できる場所です。
このため、一般的に、投資家が取引所に仮想通貨を預ける理由は「すぐに法定通貨に交換すること」であり、ハードウェアウォレットに預ける理由はハッキングなどを恐れずに「長期的に保有し続けること」であると言えます。
今月、ビットコインが3万8000ドル〜4万ドルのレンジで推移する中、取引所からビットコインの流出が引き続き観察されました。これは、ビットコイン価格がまだ上昇するだろうと楽観的な観測をもとに、取引所ではなくハードウェアウォレットでビットコインを持つ投資家の数が増えていることを示唆します。
取引所のネットポジションの変化は、取引所が保有する仮想通貨の30日間の変化量を示します。プラスであれば該当する仮想通貨が流入、マイナスであれば流出したことを意味します。