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自動車テスラ、5万4000台リコール 自動運転ソフト最新版「交差点の一時停止無視機能」へ批判高まり
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米電気自動車(EV)大手テスラは、自動運転ソフトウエア「FSD」新ベータ版を搭載した車両5万3822台をリコールする。写真は2021年4月、ニューヨーク市で撮影(2022年 ロイター/Shannon Stapleton)
米電気自動車(EV)大手テスラは、自動運転ソフトウエア「FSD」新ベータ版を搭載した車両5万3822台をリコールする。米道路交通安全局(NHTSA)によると、一時停止の標識のある交差点の前で完全停止せず低速で通り抜けることができる設定になっており、安全性のリスクがある。
NHTSAによると、リコール対象は一部の2016―22年型「モデルS」、「モデルX」、2017―22年型「モデル3」、2020―2022年型「モデルY」。NHTSAによると、テスラは問題の設定を削除するためソフトウエアを無料で更新する。
テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はこの機能について「安全上の問題は生じていない」とツイートした。テスラによると、1月27日時点でこの件に関する補償請求や衝突事故、死傷事例の報告はない。
テスラはFSDベータを公道での運転のテスト用としてユーザーに配布し始めている。ただ、同社もNHTSAも、FSDベータは完全自動運転機能ではないとしている。
テスラは昨年10月20日に今回の機能を導入するためベータ版をアップデートした。ただ、同機能が自動車の完全停止を義務付ける各州の法規に違反しているように見えることから、ソーシャルメディアで話題が盛り上がり、NHTSAがテスラに疑念を伝えていた。
NHTSAに提出された文書によると、テスラはこの機能について協議するため1月10日と19日にNHTSAの担当者に会い、20日にリコールに同意した。
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