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金融中国・恒大集団、猶予期間終了までにオフショア債利払いできず 2兆円超のデフォルトの危機
資金繰り難に陥っている中国不動産大手、中国恒大集団の一部オフショア債保有者が30日間の猶予期間切れとなる米ニューヨーク時間6日深夜までに利払いを受け取っていないことが分かった。写真は深センで9月撮影(2021年 ロイター/Aly Song)
資金繰り難に陥っている中国不動産大手、中国恒大集団の一部オフショア債保有者が30日間の猶予期間切れとなる米ニューヨーク時間6日深夜までに利払いを受けていないことが分かった。事情に詳しい関係筋4人が明らかにした。
利払いはもともと先月が期限となっていた。この8250万ドルの利払いができなければ、オフショア債は正式にデフォルト(債務不履行)となる。その場合、「クロスデフォルト」条項により約190億ドルのオフショア債が同時にデフォルトとみなされる。中国史上最大規模のデフォルトとなる可能性がある。
中国恒大からは今のところコメントを得られていない。
光大新鴻基証券のストラテジスト、ケニー・ウン氏は「市場はすでに(不払い)をある程度予想していた。いつ起こるかを待っていた」と指摘した。
「同時に投資家は中国恒大が債務再編に向かうか、債権者への返済計画を策定するか、などに注目している」と話した。
中国恒大は6日、国家機関の当局者を含むリスク管理委員会を設置したと発表した。恒大グループの「将来のリスクを軽減し排除する」ために重要な役割を果たすとしている。
市場関係者によると、中国恒大の問題はおおむね中国国内に限られ、影響が国際的に波及する可能性は低いとみられる。
同社の株価は7日、1.1%高で終了した。
デュレーション・ファイナンスのデータによれば、6日深夜に利払いの猶予期間が切れた2つのトランシェの一つである2022年11月6日満期債は額面1ドル当たり18.282セントとほぼ変わらず。
佳兆業は債券保有者と協議
中国の不動産開発会社で中国恒大に次いで海外債務の多い佳兆業集団も債券保有者との交渉がうまくいかず、7日に満期を迎える4億ドルの債券がデフォルトする恐れがある。
関係筋は全体的なデフォルトを避けるために、債券の50%以上を保有する債券保有者が6日夜、猶予条件の草案を送ったと明らかにした。佳兆業は先週、保有者と支払い猶予について協議を始めたという。
別の関係者は、協議は予備段階で最終的な条件の決定には時間がかかるとの見通しを示した。
佳兆業は協議には柔軟と述べたが、詳細な説明は控えた。
佳兆業の株価は1.1%上昇した。
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