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働き方

理想の生活と未来の成功のため、今こそ「損して得とれ」の精神を大切に

Tipping the Work-Life Balance

2021年10月15日(金)11時58分
ドリー・クラーク(デューク大学フクア経営大学院客員教授)

究極的には「金銭的価値は私にとって全てではない。長期的価値を見定めている」と、ノストランドは言う。

もちろん、企業の高報酬の依頼は喜んで引き受けるし、家賃や経費を支払うために欠かせない。だが企業幹部らの講演中のスナップ写真で、独自の芸術性が表現できるとは限らない。「大抵はカネか、名声のどちらか。両方が手に入ることはめったにない」

実入りのいい企業絡みの仕事を次々にこなすのは簡単だ。しかし、それはノストランドが目指すことではない。

あまりに多くの人が楽なカネ儲けや、世間で流布する成功観の罠にはまる。だが簡単なことをしていては、雑誌の表紙やタイムズスクエアの巨大広告を撮影するような超一級の写真家にはなれない。

必要なのはただ働きをいとわずに、関係を構築して戦略的取引をすること。ほかの人には愚かな行為に見えようと、それが将来的に決め手になることもある。

幅広い人脈を持つ人にプロフィール写真を依頼されたら「500ドルかそこらの撮影料をもらうより、いつか重要人物に紹介してほしいと頼むほうがずっと利益になる」と、ノストランドは言う。「そうして得た関係が、出版契約とか、ビッグな形で世に出るきっかけにつながるから」

待つことを嫌がってはいけない。満足を得ることを先に延ばす覚悟がなければいけない。そうすれば、いずれは選択が可能になる。目先の都合を優先してきた人々より、はるかに大きな成功にあなたを導く選択が──。

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