最新記事

キャリア

失敗しても動揺しない「鋼のメンタル」を身につけよ 人生は「偶然のゲーム」、論理的に考えれば想定内

2021年10月17日(日)11時12分
小林 剛(プロ雀士) *東洋経済オンラインからの転載

答えは当然50%です。黒の碁石が10回連続で選ばれる確率は、2分の1の10乗ですから非常にまれです。だからといって、次も黒が選ばれる確率は2分の1でしかありません。

「ギャンブラーの誤謬」に惑わされるな

ある事象が続いたとき、「次も同じ事象が続くのではないか?」と錯覚してしまう心理のことを、心理学の世界では「ギャンブラーの誤謬」といいます。そもそも「ツイている」「ツイていない」という現在進行形の表現がそもそもおかしいのです。過去のことなのですから、「ツイていた」「ツイていなかった」が正しいのではないでしょうか。

「ツイていた」からといって、次の結果がよいものになるとは限りません。同様に、「ツイてなかった」からといって、次も悪い結果になるとは限らないのです。未来の結果は、過去の結果とは関係ありません。独立した因果関係によって、未来に起こるべきことが一定の確率で起こるだけです。

ビジネスやプライベートでも、まったく同じことが言えます。今週の競合コンペで負けたからといって、来週のコンペで負ける確率が高まるわけではありません。同様に、今週のお見合いでフラれても、来週のお見合いでもフラれる確率が高まるわけではありません。

どちらも、今週と来週とでは別の因果関係で結果が出る、別のゲームだからです(ただし、意気消沈してあなたのパフォーマンスや魅力が下がることで、うまくいく確率が下がることもあるかもしれませんが、そもそも意気消沈する必要もありませんし、それはここでは考慮しません)。

私たちはつねに、一瞬一瞬でベストを尽くしていくしかないのです。

2つの道の分岐点に立ったとき、どちらを選択すべきか? その選択次第で、人生が大きく変わる。そういう場面は誰でも緊張しますし、身の引き締まる思いだと思います。

仕事やプライベートでも、こういう場面に出くわすことでしょう。転職や起業をするべきか、今の職場にとどまるべきか。重要なビジネスパートナーに、伝統と安心の大企業を選ぶのか。イノベーティブなベンチャー企業と組むのか。

世に名を残す優秀なビジネスマンや経営者は、多かれ少なかれこうした決断を果敢に行っています。「持ち帰って検討します」では、チャンスを失ってしまうかもしれません。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

バイデン大統領、31万人に学生ローン免除 美術学校

ワールド

米名門UCLAでパレスチナ支持派と親イスラエル派衝

ビジネス

英シェル、中国の電力市場から撤退 高収益事業に注力

ワールド

中国大型連休、根強い節約志向 初日は移動急増
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 4

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 7

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 8

    なぜ女性の「ボディヘア」はいまだタブーなのか?...…

  • 9

    衆院3補選の結果が示す日本のデモクラシーの危機

  • 10

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中