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EVシフトの盲点とは? トヨタが「水素車」に固執するこれだけの訳

2021年6月11日(金)15時55分
前田 雄大 *PRESIDENT Onlineからの転載

それでもなお、現行のハイブリッド戦線で、当面、トヨタとして十分に戦っていけるだろう。その間に、着々と進めている水素戦略が花開くのか、それとも、ついに全力を出したEV路線で猛追からの逆転を果たすのか。いずれの形であれ、国際エネルギー機関が報告したように、世界はエネルギーの大部分を再生可能エネルギーに頼るようになり、そのコストが限りなく低減する未来がじきに来る。

そのときに、基本に立ち返って、水素は地球上で最も豊富な元素、というトヨタの着眼点が効いてくると筆者は考える。実は、そこまで行くと乗用車でもFCVがEVに対して競争力を持つ。

トヨタの水素戦略は、EVシフト、そして脱炭素の進展の先を見越した大戦略だ。トヨタ、そして日本勢の巻き返しはこれから始まる。「世界に日本あり」を脱炭素の文脈でぜひ示してほしい。

前田 雄大

元外務省職員、EnergyShift発行人兼統括編集長(afterFITメディア事業部長)
1984年生まれ。2007年、東京大学経済学部経営学科を卒業後、外務省入省。開発協力、原子力、大臣官房業務などを経て、2017年から気候変動を担当。G20大阪サミットの成功に貢献。パリ協定に基づく成長戦略をはじめとする各種国家戦略の調整も担当。2020年より現職。日本経済研究センターと日本経済新聞社が共同で立ち上げた中堅・若手世代による政策提言機関「富士山会合ヤング・フォーラム」のフェローとしても現在活動中。YouTubeチャンネル「エナシフTV」で情報を発信している。

※当記事は「PRESIDENT Online」からの転載記事です。元記事はこちら
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