ビットコインが定着するか崩壊するか、運命が決まる時は間もなく来る
TOO BIG TO FAIL?
それでも、ビットコインの旗振り役ノボグラッツはもはや世界は仮想通貨なき時代には戻れないと断言する。彼によれば、ビットコインは通貨というより社会運動だ。そして既に社会を変え得るほどの支持者を獲得している。その例えとして彼はある動画を挙げた。人々がピクニックをしている丘の斜面で1人の男が上半身裸で踊りだす。そこにもう1人、また1人と加わるうちに、踊りの輪はどんどん広がる。初めは踊る男がバカに見えたが、やがては踊っていない人のほうがバカに見えてくる。
アメリカの大企業やウォール街の大物は「最初に踊るバカ」になりたがらないが、「今やみんなが踊っている」と、ノボグラッツは言う。
彼の会社ギャラクシーは12億ドルの資産を運用し、昨年第4四半期には650%の運用益を上げた。株価は52セントから15ドル超まで上がったが、さらに今年3月、モルガン・スタンレーが自社のフィナンシャルアドバイザーにギャラクシーを通じて顧客のためにビットコインを購入することを許可する方針を発表すると、たった2日間で20ドル超まで上昇した。
「仮想通貨は今やれっきとした資産だ」と、ノボグラッツは胸を張る。
だがビットコイン相場が崩れる可能性はないかと聞くと歯切れは悪かった。「それは神のみぞ知るだね」
すぐにも崩れる心配はないと彼は言うが、もしも潮目が変わったらどうするのか。またもや若者たちにもみくちゃにされるような事態になったら? その時はバブルがはじける前に売るまでだ。それでも彼はがっぽり稼げる。