最新記事

交通

スエズ運河、待機船舶順調に通航 6日間の運行停止の影響、6カ月に及ぶ恐れ

2021年3月31日(水)09時24分

エジプトのスエズ運河庁は運河の通航再開を受け、この日は140隻の船舶が運河を通過するとの見通しを示した。ただ、大型コンテナ船の座礁で6日あまり通航が妨げられたことによる影響は数カ月続くとの見方が出ている。写真は同日、スエズ運河を通航する船舶(2021年 ロイター/Hanaa Habib)

エジプトのスエズ運河庁は運河の通航再開を受け、30日は140隻の船舶が運河を通過するとの見通しを示した。ただ、大型コンテナ船の座礁で6日あまり通航が妨げられたことによる影響は数カ月続くとの見方が出ている。

スエズ運河では大型コンテナ船「エバーギブン」が23日に座礁し通航が妨げられていたが、29日に離礁が成功し通航が再開された。

運河庁のラビア長官は、現地時間30日夕方までに95隻、同深夜までにさらに45隻が通航するとの見通しを表明。通航が再開された時点で422隻が待機していたが、3─4日以内に全ての待機船舶が通航することを望んでいると述べた。

ただ、国連貿易開発会議(UNCTAD)のロジスティクス専門家、ヤン・ホフマン氏は、スエズ運河の渋滞が数日で解消したとしても、港湾施設などでの作業の遅れを取り戻すには数カ月かかる可能性があると指摘。海運大手マースクも国際海運の阻害は数カ月続く恐れがあるとの見方を示している。

ホフマン氏によると、スエズ運河の通航止めで影響を受けた貨物の総額は890億ドルと推計されている。

今回の座礁事故で保険金支払いの要求が相次ぐと予想されているが、エバーギブンを所有する日本の会社は今のところ賠償請求などは受けていないとしている。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

利上げの可能性、物価上昇継続なら「非常に高い」=日

ワールド

アングル:ホームレス化の危機にAIが救いの手、米自

ワールド

アングル:印総選挙、LGBTQ活動家は失望 同性婚

ワールド

北朝鮮、黄海でミサイル発射実験=KCNA
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32、経済状況が悪くないのに深刻さを増す背景

  • 4

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 7

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 8

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中