ドタバタ続きの「GoToトラベル」 北海道周遊して分かったコロナ禍の観光業の今
人けのない北海道の小さな町。GoToキャンペーンで客足がある程度回復したという宿泊施設関係者は多かった(筆者撮影)
<批判も多い一方、助かっている宿泊・飲食施設も多い>
7月から始まった、政府による観光支援策「GoToトラベル」キャンペーン。鉄道事業者は補助金を活用した安価なきっぷを発売、NEXCO(高速道路)でもETC割引などで旅行需要の喚起を促している。
今年はコロナ禍により、Jリーグも少なくとも9月末までアウェイ席を設置しないこととなった(私はジェフ千葉を応援しており、例年アウェイ試合に出かける)。そこで9月に遅い夏季休暇を取得し、十分感染対策を行ったうえで旅に出ようと思い立った。一人旅なら道中で人と会話することも少ない。今回は8日間かけて北海道を巡ることにした。
このキャンペーンは当初8月以降に開始予定であったが、7月22日に前倒ししたこともあり、コロナ禍の収束が見えない中で批判の声も多かった。今回は都会や繁華街は避け、なるべく人の少ないエリアをまわる、という方針で出かけた。そのため印象に偏りはあるが、飲食店や宿泊施設の声を聞くに、キャンペーンは一定の効果があると実感した。
「GoTo」どう使えばいい?
GoToトラベルキャンペーンとは、観光庁サイトによると
・国内旅行を対象に宿泊・日帰り旅行代金の2分の1相当を支援
・給付額のうち、7割は旅行代金の割引、3割は旅先で使える地域共通クーポンとして付与
・1人1泊当たり2万円が上限、連泊や利用回数の制限はない。
とある。しかし利用者としては使い方がわかりにくいのが事実だ。列車や飛行機を自身で購入したものは対象外、個人で予約した宿から宿泊証明書をもらって事後申請する場合は、8月31日(9月1日チェックアウト)までが対象で、すでに終了している。
結局は楽天トラベルやじゃらんといった宿泊サイト、JTBや日本旅行などの旅行代理店から申し込むのが楽だ。自身で手続きをせずとも自動的に適用される。実際、今回自らGoTo適用プランを実施していた宿泊施設はほぼなく、宿泊証明書は出したものの、大半が宿泊サイトからの予約だったと聞いた。