最新記事

日本社会

ドタバタ続きの「GoToトラベル」 北海道周遊して分かったコロナ禍の観光業の今

2020年10月14日(水)17時00分
八田 裕之(週末旅行家) *東洋経済オンラインからの転載

今回の行程は以下の通りだ。

reuters__20201013183856.png

北海道8日間周遊の行程(筆者作成)



・9月5日:羽田空港→(JAL)→旭川空港→旭川→(函館本線)→滝川

・9月6日:滝川→(函館本線)→旭川→(石北本線)→留辺蘂→(バス)→温根湯

・9月7日:温根湯→(バス)→留辺蘂→(石北本線)→網走→(釧網本線)→摩周

・9月8日:摩周→(釧網本線)→釧路→(根室本線)→滝川→(函館本線)→深川→(留萌本線)→留萌

・9月9日:留萌→(留萌本線)→深川→(函館本線)→旭川→(宗谷本線)→稚内

・9月10日:稚内→(宗谷本線)→旭川→(函館本線)→札幌→(千歳線・室蘭本線)→室蘭

・9月11日:室蘭→(室蘭本線)→長万部→(函館本線)→函館

・9月12日:函館→木古内→函館(道南いさりび鉄道)→函館空港→(JAL)→羽田空港

道内の鉄道は「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」を使った。このパスは「ぐるっと北海道・公共交通利用促進補助事業」を活用、1万2000円でJR北海道内の特急列車を含めた在来線に6日間乗降自由となる破格のきっぷだ。発売期間は来年1月25日までだったが、大人気で9月29日に販売予定数の上限に達したため、すでに発売は終了している。

また、第三セクターの道南いさりび鉄道は同じ補助金を活用し、700円で1日乗り放題となる「いさりび1日きっぷ」を発売しており、あわせて利用した。こちらは現在も販売中だ。

往復の飛行機は楽天トラベル経由でJALダイナミックパッケージを利用した。行程に自由度を持たせるため宿は最終日のみ指定。1週間前の8月29日に予約し、3万2700円がGoTo適用により2万1255円となった。他の宿はすべて宿泊サイト経由、GoTo適用だ。

馴染みのレストランがある街へ

旭川空港が近づくと、パッチワークのような田畑が見え、飛行機は自分の影を落としながら着陸した。

旭川駅で翌日からの「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」を購入。初日を滝川としたのは、イタリアンレストラン「ラ・ペコラ」があるからであった。7年前に偶然見つけたのだが、滝川産ラム肉ステーキが絶品で、滝川に行くと立ち寄っている。

オーナーシェフに話を伺う。3・4月が厳しい状況で、北海道が先んじて緊急事態宣言を出した翌日、30人ほどのランチタイムが皆無になった。すぐテイクアウトに対応、市もテイクアウト実施店の一覧など出してくれ、ほぼ復活してきた。道外のお客さまも歓迎します、とのこと。宿泊した宿も、宴会場、レストランの休業を余儀なくされたものの、GoToで宿泊客は増加しているとのことであった。

翌日は、あえて普通列車で石北本線の留辺蘂(るべしべ)まで移動した。窓が開く古い国鉄時代の気動車で旅をしたい。

まだ18きっぷ期間でもあり、予想以上に旅行者は多い印象。全開の窓から飛び込んでくる草木のむせるような香りとディーゼルの軽油の匂い、レールの音。留辺蘂には14時に到着した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中