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アメリカ経済米、景気回復が早くも腰折れ 感染再拡大で客足鈍る
米経済は新型コロナウイルス禍に見舞われながらも過去2カ月間、予想を上回るペースで雇用が伸びている。しかし、最近のコロナ感染再拡大で感染防止に向けた制限措置が復活している州もあり、景気回復は早くも腰折れする恐れがある。カリフォルニア州アルカディアで6月撮影(2020年 ロイター/Mario Anzuoni)
米経済は新型コロナウイルス禍に見舞われながらも過去2カ月間、予想を上回るペースで雇用が伸びている。しかし、最近のコロナ感染再拡大で感染防止に向けた制限措置が復活している州もあり、景気回復は早くも腰折れする恐れがある。
6月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比480万人増加し、1939年の統計開始以降で最多を記録。失業率も11.1%と、5月の13.3%から改善した。
一方、ニューヨーク連銀が発表する週間経済指標(WEI)によると、6月27日終了週はマイナス7.44と、前週のマイナス7.91からやや改善したものの、依然としてマイナス圏にとどまった。
こうした中、セーフグラフが提供する携帯電話の位置情報分析を基にロイターがまとめたところによると、小売り店の客足がコロナ危機にひんしていた4月上旬以降で初めて下向きに転じた。またウナキャストのデータでも、飲食やジム、美容の各店舗でこれまで戻り基調だった客足の滞りが確認された。
ホームベースの中小企業管理データによると、6月28日終了週の従業員労働時間は25州で縮小。このうち感染者が急増しているアリゾナ州やテキサス州でそれぞれ7%超、5%超落ち込んだ。
オックスフォード・エコノミクスのアナリスト、グレゴリー・ダコ氏は「衛生状況の悪化やそれが景気回復に及ぼす悪影響がこれまで以上に懸念される。移動の自由や防護用品の使用率の低さが夏場の悪化に拍車をかける恐れがある」と指摘した。
移動制限が緩和される中、社会的距離の確保やマスク着用といった対応は個人によってまちまちだ。ロイターの集計によると、米国での新型コロナ感染者は1日、5万人近く増加し、1日当たりの感染者としては過去最多を記録した。特に南部や南西部の州でのクラスター(集団感染)が目立っている。
米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、感染拡大を食い止めなければ、1日当たりの感染者数は現在の約2倍の10万人に膨らむ恐れがあると警告する。
ゴールドマン・サックスのアナリストは、米国の人口の半分超に当たる州で当初の経済再開計画の停止や部分的な撤回を余儀なくされていると分析。当該州ではバーやレストランの営業、集会の規模などに制限が設けられているとした。
その上で、ウイルスの流行はほぼ全ての州で拡大しており、現在、経済再開のために推奨される4つの基準を全て満たしているのはバーモント州とニューハンプシャー州だけだと指摘した。
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