日本企業5割超がコロナショックで賃金・雇用カット 業績不透明感強く
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6月ロイター企業調査では、新型コロナウイルス感染症の影響により調査企業の半数超で賃金・雇用の削減などを実施したことが明らかになった。今後について、7割程度が年内に業績が底打ち、その後緩やかに回復していくとみている。写真は5月26日、東京新宿で撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)
6月ロイター企業調査では、新型コロナウイルス感染症の影響により調査企業の半数超で賃金・雇用の削減などを実施したことが明らかになった。今後について、7割程度が年内に業績が底打ち、その後緩やかに回復していくとみている。
ただ現時点で今年度業績見通しが立たない企業が4割を占めるなど、不透明感は依然強い。この間、オンライン会議、非接触型営業活動などデジタル化を図った企業は9割を超え、ウィズコロナ時代への対応も進んでいる。
調査は6月2日から12日までの期間に実施、資本金10億円以上を対象に499社に調査票を発送、回答社数は230社程度だった。
採用抑制や給与カットなど、5割超で実施
調査によると、コロナによる雇用や給与への影響が「あった」との回答は55%を占めた。
そのうち、新規採用を抑制したのは41%、中には新規採用を全面凍結した企業も9%あり、合わせて5割の企業で新規採用に影響が出たことがうかがえる。また給与カットをした企業や人員削減をした企業も2割以上を占めた。
賃金に関しては「休業に伴う給与の減少」(輸送用機器)といった定例給与への影響のほか、「後半期のボーナスに影響がある」(紙・パルプ)など賞与カットをあげる企業が多かった。
雇用面では「非接触対応により、求人対応が円滑にできない様になった」(窯業)など、計画通りの採用ができなかった企業もある。
雇用関連統計では、需要の蒸発に伴い一時的な解雇や休業扱いはかなり目立っていたものの、もともと人手不足が深刻化していた業種では「人材募集への応募が増加している」(情報サービス)といった声や、「非正規社員の採用増加」(卸売)、「人員不足解消」(小売)という傾向もあるようだ。
年内に業績底打ち、緩やかな回復に
緊急事態宣言が全国で解除され、事業活動も再開している中でも、企業は先行きの業績回復はなかなか見通せないようだ。
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