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アメリカ経済米、週間失業保険申請約384万件 新型コロナの影響で高止まり
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米労働省が30日発表した25日終了週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は383万9000件となった。アーカンソー州ファイエットビルで6日撮影(2020年 ロイター/Nick Oxford)
米労働省が30日発表した25日終了週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は383万9000件となった。前週の444万2000件(改定)から減少したものの、なお高水準が続いている。これまで新型コロナウイルス感染拡大の封じ込めに向けたロックダウン(都市封鎖)措置の直接的な影響を受けていなかった業界にもレイオフが広がっている可能性を示唆した。
市場予想は350万件だった。
新規失業保険申請件数は3月28日終了週に過去最悪の686万70000件を記録。最新の4月25日終了週の申請件数を含めると、3月21日終了週以降の申請件数は3030万70000件と、米国の労働年齢人口の18.6%に相当する規模となった。
4月18日終了週の失業保険受給総数は1799万2000件と、前週から217万4000件増加。この週は4月の失業率を算出するためのデータ収集期間に含まれ、単純に計算すると、4月の失業率は15%を上回る水準に上昇することになる。
ただ、政府は新型ウイルス感染拡大に関連して一時的に仕事ができなくなっている人も失業保険を申請できるようにしているため、エコノミストの間では、申請件数の増加は単純に失業率に反映されるものではないとの見方も出ている。
労働省は、働ける状態にあるが職に就いておらず、過去4週間に積極的に職探しを行った人を失業者と定義している。
労働省の元チーフエコノミストで現在エコノミック・ポリシー・インスティチュート(ワシントン)の政策部門責任者を務めるヘイディ・シエーホルツ氏は、職を失ったものの、新型ウイルス感染拡大により積極的に職探しができない状態にある人、および学校閉鎖を受け子供の世話をする必要があるために職を失った人は「失業者」と見なされないと指摘。こうした人たちは労働力から外れたと見なされるため、むしろ失業率の低下につながる。
それでもエコノミストは、4月の失業率は戦後最悪だった1982年11月の10.8%を超えるという予想を示している。
3月の失業率は4.4%。前月からの上昇幅は0.9%ポイントと、1975年1月以来の大きさとなった。4月の失業率は5月8日に発表される。
*内容を追加しました。
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