米国株式市場は続伸 新型コロナウイルス対策法案の議会通過期待で
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米国株式市場は、S&P総合500種とダウ工業株30種が続伸した。ウォール街で9日撮影(2020年 ロイター/CARLO ALLEGRI)
米国株式市場は、S&P総合500種が続伸した。2兆ドル規模の新型コロナウイルス対策法案が間もなく米議会を通過するとの期待が高まった。
取引終盤になってどの程度迅速に法案が可決するのか疑念が出てきたことで株価は上値を縮小したが、それでもS&P総合500種は約1%、ダウ工業株30種は約2%上昇して取引を終えた。
S&P総合500種が2日続伸したのは2月12日以来初めて。ダウ工業株30種の上昇率は2日間で14%となり、2日間の上昇率としては1987年以来最大となった。パイパー・ジャフレー(シカゴ)の債券戦略部門責任者、ジャスティン・ホーゲンドールン氏は「財政刺激策と金融刺激策で市場は回復した」と述べた。
ただ、世界的な景気後退(リセッション)や企業破綻などに対する懸念が強い中、米国では新型ウイルスの感染件数は今後も増加が続くと予想されており、このところの市場の動乱が収束したとの見方は広がっていない。
USバンク・ウエルスマネジメントのシニア投資ストラテジスト、ロブ・ハワース氏は「新型ウイルス感染拡大抑制に向けた措置がいつ解除されるのか分からない」とし、「警戒が必要な領域からまだ脱していない」と述べた。
労働省が26日に発表する週間新規失業保険申請件数は新型ウイルスの感染拡大を受けたレイオフの増加などを反映し、100万件に増加する可能性があるとみられている。
個別銘柄では、航空機大手ボーイングが24%高。過去3日間の上昇率は合わせて約70%に達した。航空業界に対する政府支援への期待から買いは航空株にも広がり、アメリカン航空、ユナイテッド航空ホールディングス、デルタ航空はそろって10%を超えて上昇した。
クルーズ船運航のロイヤル・カリビアン・クルーズと ノルウィージャン・クルーズ・ラインはともに約23%上昇。両銘柄ともに新型ウイルスの感染拡大で売り込まれていた。
一方、アップルは0.55%安。第5世代移動通信システム(5G)に対応したiPhoneの発売を遅らせる可能性があるとの日経の報道が嫌気された。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を4.55対1の比率で上回った。ナスダックでも2.02対1で値上がり銘柄数が多かった。