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2010年代回顧新興国株、不振のまま2010年代締めくくり
2010年代の新興国株式市場を振り返ると、力強く上昇して始まったものの、結局は先進国株にアンダーパフォームした。中国株の下落やトルコとアルゼンチンの債務危機、米中貿易摩擦などに圧迫された。写真はブラジルのサンパウロ証券取引所。7月25日撮影(2019年 ロイター/Amanda Perobelli)
2010年代の新興国株式市場を振り返ると、力強く上昇して始まったものの、結局は先進国株にアンダーパフォームした。中国株の下落やトルコとアルゼンチンの債務危機、米中貿易摩擦などに圧迫された。
MSCI新興国株指数は2010年の初め以降で15%しか上昇していない。半面、MSCI全世界株指数はこの間に104%上がった。
国・地域別ではタイ、フィリピン、台湾がいずれも50%を超える上昇率で全体を主導。ギリシャ、トルコ、チェコがマイナスで、最も成績が悪かった。
2010年代を通じて、外国投資家のリスク志向が定期的に拡大と縮小を繰り返したため、新興国株への資金流入も乱高下した。例えば主要中央銀行が危機モードの緩和措置を巻き戻して米金利が上昇した局面では、資金流入が止まった。
とはいえ株価はおおむね、企業業績の伸びに連動してきた。MSCI新興国株指数銘柄の12カ月予想利益に基づく株価収益率(PER)は11月末時点が11.8倍、過去10年平均が10.9倍だ。最低は2011年10月の8.5倍、最高は18年1月の13.09倍だった。
PERの落ち込みが一番大きかったのは中国とポーランドで、割安化が進んだ。タイはPERが最も増大した。
配当利回り成績のトップはロシアとチェコ、最下位はインド。11月末時点のロシアの配当利回りは6.8%で、2010年初めの1.6%から著しく改善した。中国の配当利回りは1.3%から3.6%に上がった。
ロイターが新興国の4402社を分析したところでは、2010年に40%という堅調な伸びを示した増益率はその後鈍化した。コモディティー価格の下落、ハイテク製品に対する需要減速、米中貿易摩擦が重なった結果だ。
新興国企業の増益率は、2010年代の大半で先進国企業にかなわなかったことも分かる。
過去10年の増益率の中央値が10%ないしそれ以上と最も高かったのは、中国、メキシコ、タイの企業で、ハンガリー、エジプト、トルコの企業は中央値がマイナスになった。
新興国企業は債務を圧縮するとともに、輸出需要の弱まりを受けて事業拡大計画も縮小した。
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