最新記事
知的財産中国、研究者の採用通じて知的財産を米国から移転 米上院が報告書
米上院の委員会は公表した報告書の中で、中国が米国で活動写する研究者の採用を通じて米研究機関から知的財産を国内に移転しているとし、これにより税金が中国の経済や軍事力を強めることに使われていると懸念を示した。写真は11月1日、北京で撮影(2019年 ロイター/Florence Lo)
米上院の委員会は18日に公表した報告書で、中国が米国で活動する研究者の採用を通じて米研究機関から知的財産を国内に移転しているとし、これにより税金が中国の経済や軍事力を強めることに使われていると懸念を示した。
報告書は、この問題で連邦政府機関の対応が後手にまわっていたとも指摘。中国は約20年にわたり、米国の大学研究室や研究機関から人材を採用することで米国の最先端科学技術にアクセスしていたが、米連邦捜査局(FBI)などは、2018年半ばまでほとんど対策を講じなかったとした。
中国が海外から優秀な人材を呼び戻すためのプログラム「Thousand Talents Plan」の対象者で、博士課程を修了した研究者を例に挙げ、この研究者が中国に戻る際、米国の研究室からプレゼンテーションやテクニカルペーパー、リサーチデータなどに関する3万以上もの電子ファイルを持ち去ったと説明している。
上院のロブ・ポートマン議員(共和党)とトム・カーパー議員(民主党)は、この報告書に基づき、中国が米国の研究機関や知的財産、税金をこのように使うことを止めさせる法案を提出すると表明した。
*第4段落の表現を一部修正して再送します
11月26日号(11月19日発売)は「プラスチック・クライシス」特集。プラスチックごみは海に流出し、魚や海鳥を傷つけ、最後に人類自身と経済を蝕む。「冤罪説」を唱えるプラ業界、先進諸国のごみを拒否する東南アジア......。今すぐ私たちがすべきこととは。