日米貿易協定承認案が衆院通過 懸念される第2弾交渉での数量規制
来週にも参院通過の見方が優勢
これまでの国会審議では野党の反発姿勢が目立っていたが、与党側は月内の参院承認を見込んでいる。今後30日以内に参院が議決しない場合、衆院の優越により自然成立させるためには、国会期末を12月9日から延長する必要があるが、与党内では「来週27-29日の参院本会議で通過可能」との見方が多い。
日米貿易協定では、米国の牛肉や豚肉、小麦、乳製品の一部などで現在のTPP並みに関税を引き下げる。米側は日本車への追加関税や数量規制を発動しないことを約束した。
農業分野では日本側の関税引き下げがTPPの範囲内に収まったほか、TPP交渉で米国が要求していたコメの輸出枠を取り下げたことなどが評価されている。
最大の焦点だった自動車についても、懸念された日本から米国に輸出する自動車に対する数値目標や、追加関税も盛り込まれなかった。茂木敏充外相は「トランプ大統領に2度確認した」(10月1日、自民党部会)と強調しており、今回の交渉の最大の成果とされる。
(竹本能文 編集:内田慎一)
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