最新記事

ネット

「軽く月10万円は稼げます」 アマゾン偽レビューを書く人はどうやって儲けるのか?

2019年11月8日(金)17時00分
横田 増生(ジャーナリスト) *東洋経済オンラインからの転載

グループのメンバーの数は、1万人から2万人。フェイスブックで検索すると、簡単に見つけることができる。私は、そこから参加者にランダムに取材のお願いを送って取材先を探した。

品川駅内のスターバックスで話を聞いた男性が差し出す名刺には、誰もが知る東証一部上場の社名が入っていた。篠崎克己(33歳、仮名)だ。《0円仕入れ》を始めて2年がたつという。

「僕と妻と、まだ生まれたばかりの息子の3人のアマゾンのアカウントを使って、五つ星のレビューを書いています。これまでに、3人で合わせて150件以上のレビューを書いてきました。手に入れたのは、スマホのケースに、ブルートゥースのイヤホン、時計のバンド、アイコスの互換機、小型の掃除機3台、靴など数えきれないほどですね。ドンキ(ドン・キホーテ)で買えるものなら何でもタダで手に入る感じですかね。

だけど、詐欺と思われる商品もフェイスブック上のタイムラインに流れてくることがあるので注意が必要です。iPhoneXとかiMacのレビュー募集というのがありましたが、アップルがレビューを募集することは考えられないです。間違って買ってレビューしたところで返金されることはないのが落ちでしょうね。2万円以上する商品のレビューを募集しているときは、疑ってかからなければいけません」

30万円のフォルクスワーゲンポロが流れてきたことも

私自身、2018年秋に30万円のフォルクスワーゲンポロが「ペイパル完全払い戻し」の商品として、フェイスブックのタイムラインに流れてきたのを見たことがある。2011年製で、走行距離8万6000キロ。即座に「どう考えてもウソだろう」と思った。

大企業の正社員であれば、お金に困っているわけでもないのではないか、と私が篠崎に尋ねると、

「金銭的なことではなく、商品がタダで手に入るのが魅力でやめられないんですよね」

とのこと。最近は、以前、取引のあった中国業者から、月に1、2回、無料で商品が送られてくるのだと篠崎は言う。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

独メルセデス、安価モデルの米市場撤退検討との報道を

ワールド

タイ、米関税で最大80億ドルの損失も=政府高官

ビジネス

午前の東京株式市場は小幅続伸、トランプ関税警戒し不

ワールド

ウィスコンシン州判事選、リベラル派が勝利 トランプ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 10
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中