グローバル化したファーウェイに同族会社の名残 一族が関連会社経営
中国の企業登記データからは、任平氏はファーウェイの別の子会社、上海莫塞爾貿易でも社長を務め、任正非氏の妻もこの会社に籍があることが分かる。ウェブサイトによると同社は世界中から輸入した食品を販売。ファーウェイのロゴ入りのワイン、高級牛肉、高級なコメなどを取りそろえ、部外者も購入できる。
ロイターが取材した一部社員は、上海莫塞爾貿易の商品は値段が高すぎるとの指摘したものの、品質は良く、ファーウェイのロゴが入っているので法人向けギフトにぴったりだと評価する声も聞かれた。
一方、上海莫塞爾貿易傘下の旅行会社、慧通愛旅は米政府によるファーウェイ締め付けのあおりを受けた模様で、8月に事業を停止した。
シドニー工科大のハウズ氏はファーウェイが創業者の親族のつながりを保っていることについて、中国の民間企業では一般的だと説明。「トップがだれを信頼できるかという面と、親族の1人の成功をみんなで分け合うという儒教的な考えもある」と付け加えた。
任正非氏は事あるごとに孟氏を含め親族の誰かがファーウェイのトップの座を継ぐことはないと強調してきた。
取材では十数人近くの社員に話を聞いたが、任一族が経営を握っていることに反発はみられなかった。ある社員は「報酬と配当が支払われている限り、トップの一族が何をしようが気にしない」と述べた。
(Sijia Jiang記者)