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ユニコーン企業米ウィーワーク、ソフトバンクと資金調達交渉 目的はリストラ費用確保
共用オフィス「ウィーワーク」運営の米ウィーカンパニーは今週、大規模リストラを実施する資金の確保に向け、筆頭株主ソフトバンクグループから10億ドルの追加出資を取り付けるため同社と交渉している。事情に詳しい関係筋が明らかにした。写真は1月にニューヨークで撮影(2019年 ロイター/Brendan McDermid)
共用オフィス「ウィーワーク」運営の米ウィーカンパニーは今週、大規模リストラを実施する資金の確保に向け、筆頭株主ソフトバンクグループから10億ドルの追加出資を取り付けるため同社と交渉している。事情に詳しい関係筋が明らかにした。
ウィーは前週、企業評価額やビジネスモデルを巡る投資家の懸念が強まったことから、新規株式公開(IPO)申請の取り下げを余儀なくされた。関係筋によると、ソフトバンクGとの交渉が成立した場合、30億ドルの融資確保に向けJPモルガン・チェースと交渉する見通しだという。
ソフトバンクGの孫正義社長は今週、日経ビジネス誌のインタビューで、ウィーカンパニーが10年後にかなりの利益を上げていると述べて同社を擁護している。
ウィーとソフトバンクはコメントの求めに応じていない。
ソフトバンクと傘下投資ファンドのビジョン・ファンドはこれまで、合意だけの分も含め、ウィーカンパニーに106億5000万ドルを出資しており、約29%を持つ筆頭株主。追加出資を目指すが、異例な不透明感が漂っている。
ソフトバンクGが1月にワラント(株式引受権)による15億ドルの投資で合意した際のウィーの評価額は約470億ドルだった。関係筋の1人によると、ソフトバンクは10億ドルを追加出資する前にワラントの条件を再交渉したい考えだという。
ロイターは前月、ウィーがIPOを断念した際の推定企業評価額は100億─120億ドルまで落ち込んだと報じた。
通常ならば、追加出資に向けた条件再交渉でソフトバンクは、評価額をできる限り引き下げ、保有率の拡大を狙うと想定される。ただ、ソフトバンクとビジョンファンドが既に保有するウィー株は推定企業評価額約240億─260億ドルに基づいていることから、これを下回る水準で追加出資すれば評価損が発生することになると証券アナリストは分析する。
一方、ウィーが現在の形で存続するには、ソフトバンクや米金融機関との交渉が成立するかどうかが極めて重要となる。
関係筋によると、同社は野心的な経営目標を大幅に見直し、数千人の人員削減を実施することが既に見込まれている。
同社は2018年に19億ドルの赤字を計上し、今年上半期のキャッシュフローの赤字は23億6000万ドルに上った。米サンフォード・C・バーンスタインが先週出した試算では、現在のペースで資金が流出し続ければ、2020年第2・四半期に手元資金が尽きる可能性がある。
関係筋によると、ウィーはソフトバンクとJPモルガンとの交渉を来週にも終わらせたい考え。ただ、計画が変更される可能性もあるという。
関係筋の1人によると、JPモルガンは、ソフトバンクによる追加出資が確定するまで、融資に関する交渉を本格化する考えはないという。JPモルガンが担保に何を要求するかは不明。
銀行団は当初、ウィーがIPOで30億ドルを調達することを条件に、60億ドルの融資枠を設定する準備を進めていた。
JPモルガンはコメントを控えた。
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