海運業界、2050年のCO2半減に向け苦闘 高まる社会的責任
「ポセイドン原則」
このセクターには、資金の貸し手からのプレッシャーもかかっている。銀行は徐々に、融資ポートフォリオのなかにどのような船舶が含まれるか、選別するようになっている。6月に開始された「ポセイドン原則」と呼ばれるイニシアチブを受けた動きだ。
このイニシアチブに参加しているのは銀行11行で、海運産業向けの融資ポートフォリオは世界全体で1000億ドルに達する。海運会社に融資を提供する際の銀行の意思決定に、二酸化炭素排出量削減の努力を盛り込もうという初めての試みだ。
ソシエテジェネラルCIBで海運&オフショア部門グローバルヘッドを務めるポール・テイラー氏によれば、海運産業に融資している世界各国の銀行及び中国の機関が、海運セクター及び約7万隻の商用船舶に与えている優先債務は、約4500億ドル。
市場関係者によれば、INGは、海運セクターへの融資ポートフォリオが推定100億ドルに達すると言われるが、やはり「ポセイドン原則」イニシアチブに参加しており、最新設計の船舶を対象とした融資を行っている。
INGのヒュースター氏は、「INGをはじめ、船舶ファイナンスを行っている銀行は、より環境負荷の小さい船舶に対する融資への選好が強い。それがひいては、造船会社に効率改善の継続を促すことにつながるはずだ」と話している。
(翻訳:エァクレーレン)
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