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貿易戦争トランプ、中国への追加関税を一部延期 米国内の年末商戦に配慮
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トランプ米大統領は、9月1日に発動予定の中国製品に対する10%の追加関税のうち、ノートパソコンや携帯電話など一部製品への発動延期を決めた。国内の年末商戦への影響を配慮した。 上海で7月撮影(2019年 ロイター/Aly Song)
トランプ米大統領は13日、9月1日に発動予定の中国製品に対する10%の追加関税のうち、ノートパソコンや携帯電話など一部製品への発動延期を決めた。国内の年末商戦への影響を配慮した。
米通商代表部(USTR)は声明で、「コンピューター、ビデオゲーム端末、一部の玩具、パソコンのモニター、一部の履物や衣料品」などに対する関税措置の発動を12月15日まで延期すると表明した。
トランプ大統領は記者団に対し、クリスマス商戦で「一部関税の影響が米消費者に及ばないよう」延期を決めたと述べた。
USTRの発表の数分前に中国商務省は、劉鶴副首相がライトハイザーUSTR代表とムニューシン米財務長官と電話会談を行ったと発表。双方が2週間以内に再度電話協議を実施することで合意したと明らかにした。
今回、関税適用延期の対象となる製品群は、ロイターの試算によると、9月1日に追加関税が課される予定だった3000億ドル分の中国製品の約半分を占める可能性がある。米政府のデータによると、12月15日に関税が適用される製品群は昨年の輸入額が約1560億ドルに上った。
関税発動延期の発表を受け米株式市場は大幅高で終了。アップルは、主力スマートフォンiPhoneやタブレット型端末、ノートパソコンに対する関税発動が延期される見通しとなったことから、株価が4.2%高で終了した。
そのほか、延期される製品にはベビーカーや電子レンジ、楽器、オムツ、花火のほか、食料品、台所用品、化学薬品、スポーツ用品、ガラス製品、家庭用セラミック製品などが含まれる。
貿易団体の関係者が匿名を条件に明らかにしたところによると、USTRからは、米輸入の75%以上を中国が占める製品については関税発動を延期し、75%を下回る製品群は9月1日から追加関税を課すとの説明を受けたという。米政府統計では2018年に輸入した携帯電話の82%を中国が占め、ノートパソコンの占有率は94.5%だった。
USTRはまた、これとは別の製品群も「健康や安全、国家安全保障」などの観点から関税の適用除外になると明らかにした。品目は特定していない。
小売業界リーダー協会は、玩具や家電、衣料品や靴など一部製品に対する追加関税の発動延期は「朗報で、年末商戦に向けて消費者の痛みを軽減するだろう」と述べた。
一方、中国食品、衣料品、動物、乳製品、ゴルフボール、コンタクトレンズ、リチウムイオン電池、一部の家電製品などには予定通り9月1日から10%の関税が適用される。アップルのアップルウオッチやフィットビットのスマートウォッチ、アマゾン・ドット・コム、アルファベット傘下グーグルのスマートスピーカー、ブルートゥース製品なども含まれる。薄型テレビにも追加関税が導入される。
今回の措置や協議に向けた動きから、トランプ大統領が譲歩に意欲的になっている可能性もうかがえる。トランプ大統領はツイッターへの投稿で「いつも通り、中国は偉大な米農家から『大規模な』購入を行うと言っておきながら、実行に移していない。しかし、今回は違うかもしれない!」と述べ、中国による米農産物の大量購入に期待感を示した。
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