日本政府、韓国をホワイト国から除外 文在寅「今後の展開はすべて日本の責任」
政府は閣議で、輸出の優遇措置を適用する「ホワイト国」のリストから韓国を除外する政令改正を決定した。写真は2012年8月、都内で撮影(ロイター/Yuriko Nakao)
政府は2日の閣議で、輸出の優遇措置を適用する「ホワイト国」のリストから韓国を除外する政令改正を決定した。政令改正は7日に公布され、28日に施行される。世耕弘成経済産業相は会見で、今回の措置は安全保障上の観点から対応したもので、徴用工問題などを巡る韓国への対抗措置ではないと強調した。韓国はこれに強く反発。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「非常に無謀な決定だ」と批判、対抗措置をとる考えを示した。
日韓関係に影響を与える意図ない
世耕経産相は韓国の優遇措置の取り消しについて「安全保障のための輸出管理の適切な運用に必要な見直しで、粛々と手続きを進めてきた」と述べた。韓国の輸出管理に不十分な点があると指摘し、「迂回輸出や目的外転用には厳正に対処していく」との考えも示した。
運用見直しを巡って「日韓関係に影響を与えることは意図していない。(韓国に)厳格な輸出管理を行ってもらうことが重要で、対抗措置でもない。日本企業に悪影響が出ることは基本的にはない」との認識を示した。
同時に「信頼して対話できるような環境作りをまず韓国が行うよう望む。それは韓国の責任だ」と強調した。
菅義偉官房長官は「あくまで優遇措置を撤回し、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国と台湾など他の国・地域と同様の扱いに戻すもの」と説明。「グローバルサプライチェーンへの影響は全く考えられない」と強調した。
河野太郎外相もバンコクで開かれている東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日中韓)外相会議で、今回のホワイト国からの除外は世界の自由貿易体制に完全に合致していると主張した。
日韓、連携すべき課題はしっかり連携
一方、菅官房長官は日韓の安保協力について「日韓関係は現在非常厳しい状況にあるものの連携すべき課題はしっかし連携するのが重要」と強調。北朝鮮に関する韓国との情報共有についても「しかるべき意思疎通している」と述べた。
韓国の大統領府報道官は先月、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)について、見直しを検討する可能性があると指摘している。
同協定は北朝鮮の核やミサイルの脅威に対応することが目的で、毎年自動的に更新されている。