最新記事

日韓関係

日本政府、韓国をホワイト国から除外 文在寅「今後の展開はすべて日本の責任」

2019年8月3日(土)07時54分

今後の展開は日本の責任、影響は159品目に

韓国は日本の措置に関して、明らかな報復であるとの認識を示している。文大統領は2日、日本には韓国の経済成長を阻害する明確な動機があると指摘。日本が韓国の経済を阻害しようとすれば、対抗措置があると語った。

文大統領はまた、今後の展開について日本にすべての責任があるとし、日本政府が不公平な措置を撤回し、対話を開始することが対立解消の唯一の手段だと述べた。

大統領は閣議で「日本に二度と負けはしない」と表明。日本が世界のサプライチェーン(供給網)に混乱をもたらし「利己的な妨害」をしていると批判した。ただ、具体的な対抗措置には言及しなかった。

東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の会合に出席している康京和(カン・ギョンファ)外相は、日本が「一方的で恣意的に」行動していると指摘し、半導体材料の輸出規制強化に続く今回の決定を「深く憂慮している」と述べた。

さらに、日本による韓国のホワイト国除外を巡り、ポンペオ米国務長官が「重大な懸念」を示したとした上で、韓国と米国が日韓問題の外交的解決を模索していたにもかかわらず、このような措置をとったことは「非常に遺憾」で、日本はその責任を取るべきと主張した。[nL4N24Y348]

韓国の企画財政省は、ホワイト国除外が159品目に影響する見込みだと発表。影響を受ける企業に最大6兆ウォンの資金支援を行う考えを示した。同時に、世界貿易機関(WTO)への異議申し立ての準備を加速するとした。

米国の出方

ポンペオ国務長官は日米韓外相会談後、ツイッターに投稿し、3カ国は強い絆で結ばれており、北朝鮮の非核化やASEANの相互関係、自由で開かれたインド・太平洋地域にとって重要になるとの考えを示した。

米政府高官は1日、日韓の貿易と外交問題を巡る緊張が高まる恐れがあるとして、両国に交渉の時間を作るために「休止協定」を検討するよう呼びかけていることを明らかにしていた。

世耕経産相は、日韓対立の仲介に前向きだった米側にも説明を行ってきたとする一方、日米政府間のやり取りについては「申し上げられない」と明言を避けた。

*内容を追加しました。

[東京 2日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20190806issue_cover200.jpg
※8月6日号(7月30日発売)は、「ハードブレグジット:衝撃に備えよ」特集。ボリス・ジョンソンとは何者か。奇行と暴言と変な髪型で有名なこの英新首相は、どれだけ危険なのか。合意なきEU離脱の不確実性とリスク。日本企業には好機になるかもしれない。

20250225issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年2月25日号(2月18日発売)は「ウクライナが停戦する日」特集。プーチンとゼレンスキーがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争は本当に終わるのか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 8
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 9
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 10
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中