香港デモで資産価値の5分の1が吹き飛び、キャセイ航空が窮地に
BOBBY YIP-REUTERS
香港の反政府デモが航空業界を揺るがしている。8月半ば、デモ隊にロビーを占拠された香港国際空港は機能不全に陥り、数百の便が欠航に。
香港を本拠とし、従業員が多数デモに参加したキャセイパシフィック航空への中国政府からの圧力も激しさを増している。
中国当局はデモに関与した従業員の中国本土離着陸便での業務禁止を通告し、本土便に乗務する乗員全員の情報を提出するよう要求。キャセイ側もこれを受け入れ、デモ参加者は解雇の対象になり得ると警告した(さらにはCEOが責任を取って辞任)。
8月12日、同社の株価は10年ぶりの安値となる6.07ドルに下落。半年で資産価値の5分の1が吹き飛んだ。
■キャセイ航空の欠航便数
200以上
■8月12日のキャセイの株価
6.07ドル
■この半年で消えた資産価値
5分の1
<2019年8月27日号掲載>
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※8月27日号(8月20日発売)は、「香港の出口」特集。終わりの見えないデモと警察の「暴力」――「中国軍介入」以外の結末はないのか。香港版天安門事件となる可能性から、武力鎮圧となったらその後に起こること、習近平直属・武装警察部隊の正体まで。また、デモ隊は暴徒なのか英雄なのかを、デモ現場のルポから描きます。