最新記事

自動運転

日産=ルノー、グーグル傘下ウェイモと自動運転車開発で独占契約

2019年6月20日(木)18時54分

日産自動車と連合(アライアンス)を組む仏自動車大手ルノーは、米グーグルの持ち株会社アルファベット傘下のウェイモと無人の自動運転車サービス事業の開発で独占契約を結んだと発表した。写真はウェイモの自動運転車。2018年11月撮影(2019年 ロイター/Caitlin O辿ara)

日産自動車と連合(アライアンス)を組む仏自動車大手ルノーは20日、米グーグルの持ち株会社アルファベット傘下のウェイモと無人の自動運転車サービス事業の開発で独占契約を結んだと発表した。3社は各市場の分析や商業・法規面の課題などを共同で調査。まずは日本とフランスで事業の可能性を検討した後、中国を除く他の海外市場でも事業化を検討する。

日産とルノーは両社の車両や制御技術をベースに、自動運転車の実証実験が豊富で自動運転に欠かせない人工知能(AI)に強いウェイモと組むことで、高度な技術開発を進めたい考え。

ウェイモはすでに米国の公道で無人による自動運転タクシーのサービスを展開。その走行データやノウハウを活用し、3社で自動運転タクシーや荷物配送サービスの早期実用化を図る。

日産とルノーはまた、事業化の加速に向けたアライアンスの合弁会社をフランスと日本にそれぞれ設立する予定。一方、ルノー・日産アライアンスの事業開発責任者であるHadi Zablit氏は、今後のウェイモへの投資について、検討している「選択肢の1つ」と述べた。

今回の契約は期限付きの独占的なもので、それぞれ競合他社との協力を禁じている。期限については非公表。日産・ルノーとアライアンスを組む三菱自動車も将来的に加わる可能性がある。

日産の西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)は無人の自動運転車サービス事業への「早期参画を目指す」と述べ、ルノーのティエリー・ボロレCEOも、同事業の「潮流の最前線に立つ」とコメント。

ウェイモのジョン・クラフチェックCEOは、3社の連携により「人とモノの運搬を安全に行うための革新的なモビリティ・ソリューションの提供が可能となることを期待する」と語った。

(白木真紀 in Tokyo, Paul Lienert in Detroit and Laurence Frost in Paris)

[東京/パリ/デトロイト 20日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 独占取材カンボジア国際詐欺
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月29日号(4月22日発売)は「独占取材 カンボジア国際詐欺」特集。タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国、外資参入規制を緩和 25年版ネガティブリスト

ビジネス

米関税措置が為替含め市場に波及、実体経済に悪影響=

ビジネス

韓国LG電子、インド子会社のIPO延期=関係筋

ビジネス

米TI、第2四半期売上高見通しが予想超え アナログ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負かした」の真意
  • 2
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学を攻撃する」エール大の著名教授が国外脱出を決めた理由
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 5
    日本の10代女子の多くが「子どもは欲しくない」と考…
  • 6
    アメリカは「極悪非道の泥棒国家」と大炎上...トラン…
  • 7
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 8
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 9
    トランプの中国叩きは必ず行き詰まる...中国が握る半…
  • 10
    「アメリカ湾」の次は...中国が激怒、Googleの「西フ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 5
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 6
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 7
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 8
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中