ジム・ロジャーズ「日本で今後伸びる産業はこの3つ」
しかし、状況は少しずつ改善されてもいる。2016年、農地法が改正されて、農業への参入の壁がだいぶ低くなった。さらに、こんな例も耳にした。元会社員が始めたある農業法人が、年商12億円もの売り上げをあげる会社に成長し、アジア各国へ進出を果たしているというのだ。日本の農業の可能性の扉は、まさに開き始めていると言える。
教育ビジネスの機会も増えるかもしれない。現在、生徒が足りずに廃校に追い込まれている学校がたくさんある。子どもが減っているので、学校も空になるということだ。日本に来たがる外国人学生はたくさんいる。あるいは、積極的にたくさん受け入れるようにすればいいのだ。すでに、外国人を積極的に受け入れる日本の大学も増えてきている。
40歳以上の日本人は農地を買ったらどうか
韓国や中国の子どもと話すと、彼らは「大学に入学できない」と言う。大学の数が少ないので競争率が非常に高いためだ。
私はそういう彼らに、「日本に行きなさい。日本の大学なら受け入れてくれる」とアドバイスしている。日本では「大学全入時代」と言われるくらい、大学の数が余っている。定員割れで生徒を欲しがっている大学はたくさんあるだろう。そういう大学こそ、留学生を受け入れるのだ。
外国人に来てもらうには、世界の共通語である英語で授業をしなければならないだろうが、いまは東京大学でもどこでも、外国人が英語で講義をしている大学が増えている。
以前、アメリカのラジオ番組で私はこのように述べた。「もし私がいま10歳の日本人ならば、自分自身にAK‐47(自動小銃)を購入するか、もしくは、この国を去ることを選ぶだろう」と。ただ、私が40代の日本人だったらどうだろう。いきなり自分の国から出ていくというのは、いささか難儀なことかもしれない。
そこで考えるのは、農場を買うことだ。いま、日本の農地や農場は安い。誰も買おうとしないからだ。安い農場を見つけ、そこで働いてくれる人材を見つけるべく、最善を尽くすだろう。外国人労働者に来てもらうのが手っ取り早いが、元気な老年期の人たちにやってもらうのも手かもしれない。最近の60代は、定年退職した後でも体力と頭脳があり余っている。そんな人たちに働いてもらいたい。
あるいは、古民家のチェーン事業を始めるのもいい。私だったら、従業員には外国人を雇う。外国人の働き手を確保するべく、教育事業にも着手するだろう。募集・採用にはきっと苦労しない。韓国や中国、インドでは大学が不足しており、逆に人口減少している日本では大学が余っている。人口に対して大学が不足している国から、学生たちを呼び寄せるのは容易だ。そうして学生を採用し、日本の大学で勉強させるべく教育を施す。
そのようなビジネスを手掛ければ、40代でも日本で成功を収めるのは十分可能だろう。
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