VW排ガス不正操作、数年前に技術者らの警告で違法性を認識か
VWイタリア法人は販売代理店に対象車の販売をやめるよう指示しており、計4万台の在庫を抱えることになると、27日付の伊コリエレ・デラ・セラ紙は伝えている。
VWの広報担当者は、ドイツ本社から販売停止の指示はなかったとした上で、各国の販売担当部署は独自に決定する権利があると語った。イタリア法人はロイターの電話取材に即座に応じなかった。
ビルト紙によると、不正ソフトを搭載した1100万台のうち約280万台が対象となる本国ドイツでは、独連邦自動車局(KBA)がVWに対し、10月7日までに対策案を提示するよう求めているという。
ドイツ産業全体への影響を懸念し、同国の政治家たちはVWへの圧力を強めている。
ヘンドリクス環境・建設相は、28日に掲載されるハンデルスブラット紙とのインタビューで、VWのスキャンダルによって「ドイツ製ブランド」の輝きを曇らせてはならないと強調。
「実験室の検査だけを信頼することはできない」と語り、欧州連合(EU)は研究施設よりも通常の道路状況下での走行に重点を置く検査の厳格化を検討しているとの考えを示した。
複数のEU当局者も、車両の排ガス検査を厳格化する可能性を明らかにした。EUの執行機関、欧州委員会のティメルマンス第1副委員長は26日付の南ドイツ新聞に対し、「不正行為を阻止しなければならない」と指摘。より厳格な排ガス検査導入のため、EUが法を改正する可能性があると述べた。